研究課題/領域番号 |
15634008
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
儀我 美一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144110)
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研究分担者 |
後藤 俊一 金沢大学, 理学部, 助教授 (30225651)
出口 光一郎 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30107544)
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キーワード | 国際研究者交流 / アメリカ:フランス / 画像 / 曲率流方程式 / 輪郭線 |
研究概要 |
映像から人間が実際にどのようにして形を認識しているかということを解明する事は、脳科学だけではなくコンピュータービジョンのような分野でも重要である。例えばカラーの画像を整形して、より鮮明な画像にするのにはどのような方法が、人間が持っている感覚に近いのかといった問題が解明されれば、人間の視覚の理解が進むと同時によりよい映像が得られる。また、形の概形を画像のどのような量を見て認識していくのがよいかといった問題も、コンピューターにより画像を分類していく上でも重要である。いずれも幾何学が密接に関わっていく問題である。特に形の特徴を抽出するという点で特異点論にも結びつきが深い。 このような重要性を考慮にいれて幾何学者、解析学者、工学者が相互に学術交流がしやすい場を提供した。具体的にはこの分野の国際研究集会を複数開催した。今回は画像をその骨格から認識する方法の数学的基礎付けをはじめ、様々な話題についての数学的側面に注目して状況を調達した。輪郭線から物体のおよその特徴を選び出す方法に結晶成長の理論でよく用いられる方法が役にたちそうなことが認識された。 輪郭線を曲率流方程式で動かし、その動き方を見て図形を分類する試みは様々である。しかし通常の曲率流方程式では、変曲点のような特微的な点の抽出が難しい。そこでクリスタラリン曲率流方程式を用いると、常微分方程式の問題に帰着されるが、基本になる図形で近似しないと一般の多角形は扱えなかった。その近似をどのように組織的に行うかは長年の問題であった。工学者と解析学者の学際的な交流により、共同研究が始まりつつある。 本プロジェクトはこのように工学者と数学者(解析学者、幾何学者)との有効な共同研究を生み出す上で重要な役割を果たした。
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