研究概要 |
平成15年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)研究動向の調査 2003年9月にParma(イタリア)で開催された「疲労き裂伝播経路に関する国際会議」に際しては、Scientific Committeeメンバーとしてその開催に協力し、論文発表・討論を通してヨーロッパの研究動向を把握するとともに、会議議長であるCarpinteri教授と今後の共同研究について協議した。2003年8月には、米国の研究中心として最近X-FEMなる新有限要素手法でき裂進展問題にアプローチしているNorthwestern大学のBelytschko教授と、き裂伝播シミュレーションに関するシンポジウムの企画について協議した。 (2)国際シンポジウムの企画 き裂伝播の数値シミュレーションに関する最近の研究進展に鑑み、2004年9月に開催される第6回国際計算力学会議(WCCM IV)において、"Computational Crack Path Prediction"というミニシンポジウムを企画した。講演者はフランス、ドイツ、イタリア、米国、日本の5カ国から以下の9名、Jean-Baptiste Leblond, Markus Fulland, Friedrich-G. Buchholz, Asher A. Rubinstein Sabrina Vantadori, Eric Bechet, Shogo Nakasumi, Yasumi Kawamura, Yoichi Sumiである。 本シンポジウムの機会に、ベンチマーク問題を国際共同比較計算問題として海外研究者や国内研究者に提案し、共同ベンチマーク計算によるシミュレーション評価手法の確立を目指す。さらに将来、日本で疲労き裂伝播経路のシミュレーション技術に関する国際シンポジウムを開催することも視野に入れて国際研究交流を進める予定である。
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