研究課題/領域番号 |
15639010
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
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研究分担者 |
荒野 泰 千葉大学, 薬学部, 教授 (90151167)
前田 稔 九州大学, 薬学研究院, 教授 (70101178)
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (80134063)
大桃 善朗 大阪薬科大学, 助教授 (70183241)
中山 守雄 長崎大学, 薬学部, 教授 (60164373)
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キーワード | 分子イメージング / 遺伝子 / タンパク質 / 受容体結合リガンド / コンピュータ解析 / 非侵襲的イメージング法 / 創薬 / 放射性医薬品 |
研究概要 |
遺伝子、タンパク質、生理活性低分子化合物などを対象とした分子レベルでの変化の把握は疾患の早期診断、鑑別診断、予防診断に結びつくことが期待されることから、『分子イメージングによる核医学診断』は画像診断学分野の発展に大きく寄与することが期待され、そのため、これを可能とする『分子イメージング用放射性医薬品』の開発が強く望まれている。そこで本研究では、分子イメージングを有効とする核医学診断分野、効率的な高比放射能標識化合物合成法の開発、腫瘍と神経変性疾患で特異的に発現する遺伝子、タンパク質、生理活性分子と化合物との構造-活性-分布相関に関するコンピュータ解析、ドラッグデリバリー等について総合的に調査し、以下の結果を得た。 1.腫瘍と神経変性疾患を中心に、それらの疾患で特異的に発現する遺伝子、タンパク質、生理活性分子が分子イメージングによる核医学診断の対象として有効であることを認めた。 2.対象となる遺伝子、タンパク質、生理活性分子の高比放射能体を短時間で効率的良く合成する有機合成法を調査し、これが可能であることを見出した。 3.腫瘍と神経変性疾患で特異的に発現する遺伝子、タンパク質、生理活性分子と種々の化合物との構造-活性-分布相関に関するコンピュータ解析を行い、候補化合物の分子設計可能であることを見出した。 4.診断の対象とする標的組織、細胞への集積を低下させずに、非標的組織からの速やかな放射能の消失を達成するための体内動態制御因子をまとめることができた。 5.『分子イメージングによる核医学診断のための放射性医薬品の創薬戦略に関するシンポジウム』を開催し、上記の結果を報告すると共に、それに関して薬学、核医学分野の医学の研究者と分子イメージングによる核医学診断の有効性と可能性について討議した。この結果は今後の分子イメージング用放射性医薬品の開発研究に有益な情報となった。
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