研究概要 |
1.我が国の炎症性腸疾患に対する腹腔鏡手術の現況調査 我が国の炎症性腸疾患(IBD)に対する腹腔鏡手術の現況についての全国アンケート調査を,1998年1月から2002年12月までの5年間を調査対象として施行した。IBDの腹部手術のうち約14%が腹腔鏡手術によって行われ,主に待期手術例に対して行われていた。特にCrohn病において術中出血量の減少,術後腸閉塞の減少,術後在院日数の短縮など腹腔鏡手術の有用性が示唆された。 2.Crohn病に対する外科治療の現況調査 1998年より2002年までの5年間のCrohn病手術症例につき、炎症性腸疾患を扱う本邦の主要な施設に対し調査を行った.調査対象は29施設であり5年間の手術例数は計952例で、手術例数は増加傾向にあり、個々の合併症により術式が選択されていた.手術適応は狭窄が最も多く、瘻孔、膿瘍がこれに次いだ.腸切除がもっとも基本的な術式として用いられていると考えられたが、狭窄形成術やストーマ造設術もこれを補う役目を負っていると考えられた.
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