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2003 年度 実績報告書

高次量子もつれによる情報共有と代数計算に関する新方式の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15650001
研究機関東京大学

研究代表者

今井 浩  東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80183010)

研究分担者 名取 伸  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手
キーワード量子情報 / 量子計算 / 量子エンタングルメント / 最短格子点問題 / Bell凸多面体 / 量子通信路容量 / 量子加法性 / 量子アルゴリズム
研究概要

量子情報科学が新しい情報処理パラダイムとして注目されている。日本における量子計算・量子暗号の研究は、Shorの素因数分解とGroverの探索といった典型的量子アルゴリズムやBB84量子暗号といった典型的暗号に集中してきたきらいがある。より根本に立ち戻って量子力学原理に基づく情報処理を考えたとき、典型例が逆に研究の発展を阻害しているともいえる。本研究では、量子情報と量子計算の融合分野に取り組み、新たにこの分野で萌芽的な研究を目指している。
本年度の研究では、情報処理のための量子力学的性質としては量子もつれ(量子エンタングルメント)、特に高次量子もつれについて、まずは基礎的な研究を進めた。従来の量子情報・量子計算の分野での研究のうち、量子エンタングルメントの度合いに関する研究を進め、本年度の発表論文としてはコンカレンスにもとづく階層構造を明らかにした。さらにこれを進め、Bell不等式の理論を組合せ凸多面体理論から構築することに成功した。これを量子相関集合への理論として拡張しており、このような幾何構造によって量子状態のエンタングルメント度を新たに定めることの端緒につくことができた。また、既存の量子エンタングルメント度に関する未解決問題である加法性を調べるために、量子通信路容量に関する未解決問題を1つ解決することができた。すなわち、1量子ビットの通信路で容量を達成するのに4量子状態が必要であることを示した。代数的な深化による量子アルゴリズムの開発についても研究協力者の大学院生とともに基礎調べを進め、格子構造に関する量子アルゴリズムの研究を展開することができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] W.-Y.Hwang, K.Matsumoto, H.Imai, J.Kim, H.-W.Lee: "Shor-Preskill-Type Security Proof for Concatenated Bennett-Brassard 1984 Quantum-Key-Distribution Protocol."Phys.Rev.A. Vol.67. 024302(4) (2003)

  • [文献書誌] T.Ishizeki, H.Imai: "Standard Pairs for Lawrence-Type Matrices and Their Applications to Several Lawrence-Type Integer"Optimization Methods and Software. Vol.18, No.4. 417-426 (2003)

  • [文献書誌] H.Fan, H.Imai, K.Matsumoto, X.-B.Wang: "Phase-Covariant Quantum Cloning of Qudits."Phys.Rev.A. Vol.67. 022317(5) (2003)

  • [文献書誌] H.Fan, K.Matsumoto, H.Imai: "Quantify Entanglement by Concurrence Hierarchy."J.Phys.A : Math.Gen.. Vol.36, No.14. 4151-4158 (2003)

  • [文献書誌] Y.Asano, T.Ito, H.Imai, M.Toyoda, M.Kitsuregawa: "Compact Encoding of the Web Graph Exploiting Various Power Distributions"IEICE Trans.Fundamentals. (accepted for publication). (2004)

  • [文献書誌] T.Yamasaki, H.Kobayashi, H.Imai: "Analysis of Absorbing Times of Quantum Walks."Phys.Rev.A. Vol.68. 012302(9) (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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