研究分担者 |
木下 哲男 東北大学, 情報シナジーセンター, 教授 (20282006)
鈴木 陽一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20143034)
白鳥 則郎 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60111316)
今野 将 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (50333894)
阿部 亨 東北大学, 情報シナジーセンター, 助教授 (80222652)
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研究概要 |
本研究は,能動的情報資源(Active Information Resource : AIR)原理に基づき,管理者の経験的知識に基づいてネットワーク管理を積極的に支援する機構AIR-NMS (AIR based Network Management System)の実現を目指している.能動的情報資源とは,ネットワークに分散する情報資源個々に,それを利用するための知識,および機能を付加し,それらが自律的に協調して利用者要求を満足するという,マルチエージェントシステム型の情報再利用支援システムである.本年度は,この概念をネットワークに適用するためのアーキテクチャの設計および例題への適応を試みた.主に行った事項は以下の通りである. 1.必要とされるAIRの概念の決定 K-AIR : Knowledge-AIR.ネットワーク管理に必要な経験的知識を情報として保持するAIR I-AIR : Information status AIR.ネットワークに分散する,構成情報,機器情報,状態情報等を保持するAIR このうち,I-AIRは,さらに二つに系統づけた Is-AIR:サブネットのアドレス空間やサーバーの種類などあまり変化のない静的情報を保持するAIR Id-AIR:トラヒックやリンクなど,時々刻々変化する動的情報を保持するAIR 2.K-AIR, I-AIRの協調方法の設計 K-AIRは,特化した障害への対処方法を汎用的に示した知識を保持する.I-AIRは,K-AIRからの要求に対して自身が保持する情報を適切な形式に加工してK-AIRに提供し具体的な対策を提示することにした. 3.AIRシステムの内部状態の仕様設計 K-AIRとI-AIRの内部状態を設計し,具体的な協調作業のプロトコルを決定した. 4.メール不達障害に対するAIR-NMS構成の試作 メール不達障害への原因として,ネットワーク経路障害,メールサーバに対するIPアドレス解決障害,宛先不明障害など種々の原因を想定し,それら全ての障害に対してK-AIRを中心に自動検証を行うシステムの試作を行った.Is-AIRとしてサブネット情報をxml形式で保持するAIRを実装し,Id-AIRとして,経路検証AIR, MX情報検証AIR,メールログ解析AIRなどを実装した.実装後テスト用ネットワークを構成し,種々の障害が自動的に検証され特定できることを確認した.
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