研究概要 |
最近マルチメディア通信への要求が高まり、インターネットにおいても通信帯域予約の必要性が叫ばれている.そのため、RSVP(Resource ReserVation Protocol)など通信帯域予約プロコトコルが開発されているが、モバイルネットワーク上の利用は考慮されておらず、モバイルネットワーク上の帯域予約を困難にしている.これらに対処するため,帯域予約方式について研究を行い、本研究では初年度において、下記の研究成果を得ている. 1.モバイルネットワークとしてMobile-IPを利用してRSVPを対象として通信移動体がセル間を移動する際に生じる通信瞬断を防ぐため、移動体が移動先のセルに完全に移動する前に移動先基地局の認証を行う早期認証方式を提案し、この方式を通信帯域予約に応用する方式を研究・開発した. 2.提案方式がセル間移動時に必要な帯域を保証しているかを、ネットワークシミュレータを用いて、経路切り替えに伴う遅延時間、パケット損失、スループットなどから評価した. 3.2項に関する一連の研究成果は国際会議などで研究発表を行った(本実績報告書の研究業績を参照). 4.提案方式の評価は、最小構成(無線移動体1台、サーバ1台、隣り合う2つのセル)のモバイルネットワークシステム構成であった.今後、複数の移動体を導入した実システム環境に近いシステム構成での評価が必要である. 次年度は、シミュレーション評価を踏まえて、モバイルネットワークシステムを構築し、提案方式の有効性を実験的に検証する.
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