研究課題
本研究では、WWW上のドキュメントを元に、そのドキュメントに書かれている対象がどのような時間的変遷を辿るかをWWW上で自動的に追跡し、その対象に関する新規で重要なイベントをユーザーに通知するシステムを開発する。ここでいうイベントとは、例えば、新規に開発される自動車が対象であるとすれば、開発の噂から、発売発表、評論家の評価、モデルチェンジといった自動車が辿る典型的なイベントを考えている。本年度は、昨年度に引き続き、対象にとって重要なイベントをさす「イベント語」の自動抽出と、イベント語間の言い換えの抽出に関して研究を行った。この際にHTML文書中のHTMLタグが重要な手がかりを与えてくれることを確認した。また、ある対象を辿るにあたって、対象が通る道筋である「対象の準備」「対象の用途」を指し示す表現の自動獲得についての研究も行った。例えば、この手法を使うと、通常、「本を出版する」は「本を読む」というイベントの準備段階であるとみなすことができ、さらに「本を読む」ことに時間的に先立つといった知識が獲得できる。このような知識は「本」に関するイベントに関する情報を追跡する際に非常に重要な役割を果たすものと考えられる。さらに、対象に関する情報を抽出する際に重要な手がかかりになると考えられる対象の上位語を自動獲得する手法に関する研究も行った。さらに、イベント追跡の対象となるウェブページ(モニタリング対象ページ)の選別に関する研究にも取り組んだ。まず、追跡対象となるイベントを表わすキーワードをクエリとして検索を行った。次に、得られたウェブページの中から頻繁に更新されるページを選別した。この際、実際にウェブページを定期的に観察しなくても、リンク構造やページ内の更新を示唆するキーワード(「最終更新」など)が選別の有効な手がかりとなることを確認した。また、モニタリング対象ページに対して定期的に観測を行い、ユーザに通知するべきイベントを検出する手法の検討を行った。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
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