研究課題/領域番号 |
15650035
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
李 昇姫 筑波大学, 芸術学系, 講師 (80259051)
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研究分担者 |
岡崎 章 拓殖大学, 工学部, 助教授 (40244975)
原田 昭 筑波大学, 芸術学系, 教授 (70114121)
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キーワード | 感性情報メディア / Tangible Interaction / 脳科学 |
研究概要 |
これまで感性情報処理及び評価のツールとして視覚情報を中心にイメージを用いたインタラクションのデザインを行われてきたが、本研究では視覚的情報のみならず触覚を用いたメディア表現することを中心に事例研究を行い、それを感性的な手法で評価することを目標とする。触覚という概念は、製品デザインにおいて欠かせない情報の一つであり、その表現によって、メディアとしての役割に大きな影響を与える機能も持っている。今年度は、研究事例として、感性情報を用いたメディアの表現を試みると同時に脳波計測による行動の評価も行った。 いまは、情報とメディアというと、視覚的な情報を中心にPCとモニターを用いたものとして考えやすいが、その視覚情報を触れる形態に表現することを研究目的とした。 先行実験として、被験者に2次元の視覚情報のみを与えた場合と、3次元のものを与えた場合、その行動に対する脳の反応を計測した。次に、ある製品を与えて、それをモニター上、触れない実物、触れる環境の実物という異なる条件で観察させ、印象評価を行いながら、脳波を計測した。最後に被験者は、その製品の新しい形態を考えデザイン(創造)を行った。日常行動の具体的なタスクとしては、2次元的なもの(新聞を読む、アニメーションを見るなど)を接するときと3次元的(3Dパズル、人形遊びなど)なものを操作するときの脳波では集中力において大きな違いが現れた。新しいデザインをするときと、3次元の複雑な操作行動において、最も類似した脳波が観測された。これは、触覚を伴うインタラクティブな行動がより創造する脳機能を発達させるという仮説を導いた。 その結果を基に、実際に人間の情報行動を、触覚を用いたメディアとして表現するために、7名のデザイン専攻の被験者を集め、人間の情報行動に関わるブレーンストーミングを行った。そこで出たキーワードとユーザを定め、彼らの行動をビデオで撮影し、その行動を観察し、分析した。ユーザの本能的な身体行動を情報メディアとすることで、これまで見られなかったインタラクションデザイン事例が表現された。
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