研究課題/領域番号 |
15650042
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
津久間 秀彦 広島大学, 病院, 助教授 (10222134)
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研究分担者 |
石川 澄 広島大学, 病院・教授 (30168190)
水流 聡子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80177328)
岩沢 和男 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 講師 (30314777)
田中 武志 広島大学, 病院・助手 (40325197)
岩田 則和 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 講師 (00346537)
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キーワード | 自立支援 / 医療サービス / 患者参画型医療 / インフォームド・コンセント / ベッドサイド情報提供 / 患者の知る権利 |
研究概要 |
わが国において、自分自身の問題に対峙した時に自ら判断・行動しその結果に責任を持つ、いわゆる自己責任を全うできる自立した人格は少ないと言えよう。このことは社会全体にとって大きな問題である。このことを医療の受益者(患者)に当てはめた場合、自らの健康管理や疾病の治療は、自らの問題であるにも関わらず、医療専門職という他人に任せきりになる場合が多い。このことは、医療用語や概念の難解さ、理解してもらう努力不足などに起因する要因が少なくないと考えれるが、一方で、適切な場面で適切な医療情報を提供し、患者とコミュニケーションを図るための医療現場の情報提供環境の貧弱さに起因する要素も少なくないと思われる。そこで本仮題では、医療の受益者(患者)が、自らの治療の意思決定に直接参画する意識を高め、自立を支援するための情報サービスのあり方を研究している。本年度の成果は以下の通りである。 ●広島大学病院の各ベッドサイドに設置した「患者用端末(アーム式ディスプレイ装置)」が、医療スタッフと患者のコミュニケーションに有用か、患者自身が積極的に利用しているか等について、医療スタッフへアンケート調査を行い有用性を確認した(文献1)。 ●「手術・麻酔」に対する、患者の不安軽減・理解の促進のためのコンテンツを開発、患者用端末に導入し、その有用性を確認した(文献2)。その他、リハビリや輸血、放射線検査等についても同様に開発・導入を行い、有用性の検証中である。 ●治療の効果を高め、医療の安全・質の確保を支援するために、患者をもチームの一員として捉える「患者参画型チーム医療モデル」の形態についてシンポジウム形式で検討を行った(文献3)。 ●患者参画型のチーム医療を支え、診療看護の計画や経過を患者と共有するための基盤となる電子カルテシステムの形態を検討した(文献4)。また情報開示に際して重要となる看護ケア用語の標準化について、看護スタッフへのアンケート調査により、その有効性・課題を整理した(文献5)。 ●患者用コンテンツの利用状況を把握するために、コンテンツへのアクセスログを抽出し、利用動態の解析を推進中である。
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