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2004 年度 実績報告書

痛みの認知・表現・推測に関する認知科学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 15650045
研究機関京都大学

研究代表者

子安 増生  京都大学, 教育学研究科, 教授 (70115658)

研究分担者 楠見 孝  京都大学, 教育学研究科, 助教授 (70195444)
キーワード痛み / 認知 / 表現 / 推測 / メタファー / テキストマイニング / 演劇 / ふり
研究概要

16年度の研究内容:俳優の熟達度による「痛み」および「痛みのふり」演技の差異
研究目的:個人の最も主観的な体験であり他者に正確な伝達を行うことが困難とされる痛み(pain)をとりあげ、素人には難しいとされている「痛み」の演技について、舞台俳優としての演技経験年数の異なる初心者群、中間群、準熟達者群を比較し、演技経験を積むにつれ「痛み」の演技がどのように変化していくかを検討した。
仮説:初心者群よりも経験の長い中間群、さらに準熟達者群のほうが、見る側に伝わりやすい演技をするであろう。場面間の比較では、より複雑な「痛いふり」場面と「痛くないふり」場面の方が、「痛くない」場面や「痛い」場面よりも見る側に伝わりにくいであろう。
方法:(1)高校卒業後の演劇経験年数1年未満の初心者群12名、1〜5年未満の中間群12名、5年以上の準熟達者群12名、計36名(各群男女各6名ずつ)を対象に、本当に痛くないので「痛くないよ」と言う場面、本当に痛いので「痛いよ」と言う場面、本当は痛くないが痛いふりをして「痛いよ」と言う場面、本当は痛いが痛くないふりをして「痛くないよ」と言う場面の4場面を設定した(順序はカウンターバランス)。演技者は、1場面につき「1分間練習-演技」を3回繰り返し、終了後ビデオをモニターで見て3回のうち一番出来がよいと思うものを選んだ。(2)一般大学生・大学院生46名(男性20名、女性26名)を対象に、上記の36名の演技者×4場面=144のビデオ映像について「ふり」か「演技」か等の評定実験を行った。
結果:場面にかかわらず、熟達と共に演技が伝わりやすくなるということはなく、むしろ初心者の演技の方がわかりやすかった。準熟達者群は、見る側に伝わりやすい演技をするのではなくより自然な演技をすること、及び複雑な場面となっても自然さが落ちないことに技能の熟達が示された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 演劇経験の有無による味覚表情の表出ならびに演技の差2004

    • 著者名/発表者名
      安藤花恵, 子安増生
    • 雑誌名

      認知科学 11(1)

      ページ: 61-74

  • [雑誌論文] 幼児の意図理解と社会的問題解決能力の発達:「心の理論」との関連から2004

    • 著者名/発表者名
      鈴木亜由美, 子安増生, 安寧
    • 雑誌名

      発達心理学研究 15(3)

      ページ: 292-301

  • [雑誌論文] 教育学部生の情報リテラシー教育の最適化に関する研究(IV):コンピュータ実技テストによるスキル評価2004

    • 著者名/発表者名
      子安増生, 林 創, 西尾新
    • 雑誌名

      京都大学高等教育研究 10

      ページ: 45-57

  • [雑誌論文] 後悔の時間的変化と対処方法:意思決定スタイルと行動選択の関連性2004

    • 著者名/発表者名
      上市秀雄, 楠見孝
    • 雑誌名

      心理学研究 74(6)

      ページ: 487-495

  • [雑誌論文] 広告の商品属性と商品名典型性が感性判断と購買欲に及ぼす効果2004

    • 著者名/発表者名
      松田憲, 楠見孝, 鈴木和将
    • 雑誌名

      認知心理学研究 1(1)

      ページ: 1-12

  • [雑誌論文] 批判的思考態度が結論導出に及ぼす影響2004

    • 著者名/発表者名
      平山るみ, 楠見孝
    • 雑誌名

      教育心理学研究 52(2)

      ページ: 186-198

  • [図書] 芸術心理学の新しいかたち2005

    • 著者名/発表者名
      子安増生・編著
    • 総ページ数
      299
    • 出版者
      誠信書房

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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