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2003 年度 実績報告書

標的神経回路の神経活動のみを選択的に光学的計測する分子プローブシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15650055
研究機関東北大学

研究代表者

飯島 敏夫  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90333830)

研究分担者 筧 慎治  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (40224365)
キーワード神経活動の光学的計測 / 膜電位依存性FRET / 神経回路 / 標的ニューロン集団 / ウイルスベクター
研究概要

従来の膜電位感受性色素を用いた神経活動の光学的計測手法の大きな問題点は膜電位感受性色素がニューロンを全てを「非選択的」に染色してしまうため、計測されるシグナルは多種多様なニューロンの膜電位変化の「総和」となってしまっていることである。この問題を解決するため我々は観測したい神経回路に含まれるニューロン集団だけの活動を選択的に検出できる分子プローブ技術の開発を目指した。
この技術の基本構成はa)膜電位依存性FRET現象をタンパク分子プローブを発現した神経細胞に実現し膜電位変化を蛍光強度変化として光学的に捉える技術と、b)標的神経細胞のみに分子プローブを発現させるための、狂犬病ウイルスを用いた分子プローブ遺伝子の多段シナプス輸送と発現制御とから成る。従来の膜電位感受性FRET(Voltage-sensitive FRET)では、細胞膜外に配置したfluorophoreをFRETドナーとして、又、細胞膜内に配置したoxonol分子をアクセプターとして用いていた(Gonzalez & Tsien, Chemistry & Biology,1997)。我々の開発したシステムではドナーとしてタンパク分子(GFP)を用いているため、GFP遺伝子をウイルスベクターを用いて神経回路にそって輸送し、標的ニューロンに発現させることにより、標的ニューロンのみから膜電位変化を膜電位感受性FRETシグナルとして取り出すことが可能である。
平成15年度の研究で、1)GFPとoxonolを用いた膜電位感受性FRETシステムが完成した。このプローブは100mVの膜電位変化で最大25%の蛍光変化を示した。また、2)狂犬病ウイルスのベクター開発に成功し、神経細胞にGFP遺伝子を導入することが可能となった。これらの成果は第6回国際神経科学学会(プラハ)及び、第26回日本神経科学学会(名古屋)にて発表した(2003年7月)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Riichi Kajiwara: "Amygdala input promotes the spread of excitatory neural activity from the perirhinal cortex to the e ntorhinal /hippocampal neurocircuit : An optical imaging study."Journal of neurophysiology. 89. 2176-2184 (2003)

  • [文献書誌] G.R.Biella: "Olfactory input to the parahippocampal region of the isolated guinea pig brain reveals weak entorhinal ? to? perirhinal interactions."European Journal of Neuroscience. 18. 95-101 (2003)

  • [文献書誌] Takashi Tsukiura: "Time-dependent neural activations related to recognition of people's names in emotional and neutral face-name associative learning : an fMRI study."NeuroImage. 20. 784-794 (2003)

  • [文献書誌] 飯島敏夫: "超高速イメージングが明らかにする運動野における神経集団活動の動的変化"脳の科学. 25. 61-70 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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