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2003 年度 実績報告書

頭部運動による上丘モーターマップの修飾

研究課題

研究課題/領域番号 15650074
研究機関筑波大学

研究代表者

吉田 薫  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50111373)

キーワード上丘 / サッケード / 頭部回転 / バーストニューロン / グリシン受容体 / strychnine / 電気泳動投与
研究概要

上丘はサッケード制御に関る最も重要な中枢の一つであり、サッケードの方向と振幅は上丘のどの部位が興奮するかによって制御されると考えられてきた。我々は、上丘の電気刺激により誘発されるサッケードが頭部運動により大きく変化することを見出した。このことは、上丘あるいはその下流にサッケードの運動指令を強く修飾する機構が存在することを示唆する。本研究は、この未知の機構の解明を最終目標とする。研究計画にしたがい、本年度はまず、モーターマップの修飾がどこで起こるかを解析した。覚醒ネコを用い、水平および垂直方向の頭部回転の効果を調べたところ、誘発サッケードの水平および垂直成分にそれぞれ選択的な変化が生じた。また、上丘からの下行線維束を電気刺激してサッケードを誘発し、頭部回転の効果を調べたところ、同様に強い修飾作用が認められた。したがって、モーターマップの修飾は、上丘より下流、運動指令が水平・垂直成分に分離するプレモーター回路で起こることが明らかになった。プレモーター回路の解析に関しては、バーストニューロンを対象として以下の実験を行なった。バーストニューロンは注視期にポーズニューロンから抑制を受け発火を示さないため、前庭入力や上丘からの入力の動態を観察することが困難である。そこで、マルチバレル電極を用いてスパイク活動を記録し、グリシン受容体阻害薬(ストリキニン>およびGABA受容体阻害薬(ビククリン)を電気泳動的に投与して、抑制入力を遮断することを試みた。これまでに、バーストニューロンが注視期のみなちず、サッケード時にも抑制入力を受けること、これらの抑制が主としてグリシン受容体を介することが明らかになった。サッケード時の抑制は、運動指令の修飾に重要な役割を果たしている可能性が高く、今後さらに詳しく調べていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Niwa, M.et al.: "Vertical eye movements-related type II neurons with downward on-directions in the vestibular nucleus in alert cats"Exp.Brain Res.. 155. 401-412 (2004)

  • [文献書誌] Kato, R.et al.: "Contribution of GABAergic inhibition to the responses of secondary vestibular neurons to head rotation in the rat."Neuroscience Research. 46. 499-508 (2003)

  • [文献書誌] Inaba, M.et al.: "Changes in cerebellar fastigial burst activity related to saccadic gain adaptation in the monkey."Neuroscience Research. 46. 359-368 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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