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2004 年度 実績報告書

ナノマシン加工技術による内皮細胞焦点接触力の計測デバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15650085
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 正明  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111371)

研究分担者 坂元 尚哉  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20361115)
キーワード焦点接着斑 / 焦点接触力 / マイクロポスト / 平滑筋細胞 / 遺伝子導入 / ストレスファイバ
研究概要

細胞は細胞外基質と焦点接着斑と呼ばれるタンパク質の塊状部位によって接触を実現し形態を維持していると考えられている。従って力学的刺激あるいは化学的刺激に対する細胞の応答を知る上で焦点接触力を計測することは重要である。本研究では,シリコンの微細加工技術を用いて微小なセンサを開発し細胞の焦点接触力を測定することを目的とする。最終年度である今年度は,初年度に目指していたピエゾ抵抗型センサ方式を変更し,マイクロポストのたわみから接触力(牽引力)を推定する方式を検討した。まず,アレイ状マイクロポストのデザインを起こしレチクルを製作した。次にシリコンウェハにレチクルのデザインを露光転写した。ウェハをエッチングしレジストを剥離して型を製作した。続いて型にシリコーンポリマーを流し込みカバーガラスを載せた後,加温硬化させた。硬化後,型からカバーガラスごとシリコーンポリマーをはがし細胞外基質を完成させた。マイクロポストのサイズはおよそ直径3μm,高さ10μm,中心間距離8μmである。試料として,当初の予定であった内皮細胞よりも骨格構造により特徴のある平滑筋細胞を用いた。製作した基質上に平滑筋細胞を培養しマイクロポストのたわみを画像処理によって求めた。焦点接着斑の位置を確認し,かつアクチンフィラメントとの関係を把握するために,RFP-FATとGFP-アクチンのベクターを細胞に導入した。その結果,推定された平滑筋細胞の牽引力は11.8nNであり,最大値は81.3nNであった。また,それストレスファイバの分布から推測される力の合成ベクトルと牽引力のベクトルの方向は明らかに一致していた。このことからストレスファイバの発達は細胞の牽引力に支配的であることが考えられた。以上のように,本研究ではマイクロポストを有する細胞外基質デバイスを製作し,細胞底面に発生するミクロな力学環境を解明することに成功した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 構造最適化による流れ負荷内皮細胞の有限要素法解析2005

    • 著者名/発表者名
      大橋俊朗
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集A編 (印刷中)

  • [雑誌論文] Remodeling of Vascular Endothelial Cells Exposed to Fluid Shear Stress : Experimental and Numerical Approach2005

    • 著者名/発表者名
      T.Ohashi
    • 雑誌名

      Fluid Dynamics Research (in press)

  • [雑誌論文] Effect of shear stress on permeability of vascular endothelial monolayer cocultured with smooth muscle cells2004

    • 著者名/発表者名
      N.Sakamoto
    • 雑誌名

      JSME International Journal Series C Vol.47,No.4

      ページ: 992-999

  • [雑誌論文] 静水圧に対する培養内皮細胞の形態的変化とその評価方法2004

    • 著者名/発表者名
      坂元尚哉
    • 雑誌名

      第43回日本エム・イー学会大会プログラム・論文集 Vol.42 Suppl.1

      ページ: 589

  • [雑誌論文] Role of nitric oxide in migration of smooth muscle cells in cocultured model2004

    • 著者名/発表者名
      N.Sakamoto
    • 雑誌名

      The proceedings of The First Asian Pacific Conference on Biomechanics No.04-293

      ページ: 83

  • [雑誌論文] 動脈硬化症発生メカニズムにおける内皮細胞と平滑筋細胞の相互作用2004

    • 著者名/発表者名
      坂元 尚哉
    • 雑誌名

      第27回日本バイオレオロジー学会年会プログラム・抄録集 18巻

      ページ: 40

  • [雑誌論文] Mechanical properties of a single stress fiber isolated from cultured smooth muscle cells2004

    • 著者名/発表者名
      M.Sato
    • 雑誌名

      Proceeding of the 2004 BMES Annual Fall Meeting (CD)

  • [雑誌論文] 共存培養モデルを用いた平滑筋細胞遊走性に与える一酸化窒素の影響2004

    • 著者名/発表者名
      坂元 尚哉
    • 雑誌名

      日本機械学会第16回バイオエンジニアリング講演会講演論文集 No.03-38

      ページ: 31-32

  • [図書] 構造工学ハンドブック(13章1・2 細胞構造)2004

    • 著者名/発表者名
      佐藤正明
    • 総ページ数
      1070
    • 出版者
      丸善

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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