研究課題/領域番号 |
15650094
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安井 武史 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70314408)
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研究分担者 |
秀 道広 広島大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 教授 (50284188)
東野 義之 奈良県立医科大学, 医学科, 教授 (40075023)
荒木 勉 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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キーワード | コラーゲン / 配向 / 真皮 / 非線形光学効果 / 第2高調波発生光 / フェムト秒レーザー |
研究概要 |
皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層構造からなり、これらの中で、真皮は皮膚の張り・弾性・水分保有の機能に深く関与している。このような真皮には構造タンパク質であるコラーゲンが豊富に含まれており、これが皮膚の形態的及び機能的特性を決定する上で重要な役割を果たしている。コラーゲン分子とその集合体の構造的変化は皮膚疾病に関する重要な情報を与えるので、これらの変化をモニターするための診断技術が臨床及び基礎医学の分野で強く望まれている。本研究では、非侵襲真皮診断法を実現する手段として、非線形光学特性を有するコラーゲン分子と超短パルス光の相互作用の結果として誘起される第2高調波発生光(生体SHG光)に注目し、この生体SHG光を用いたヒト真皮コラーゲン配向測定法に関する研究を行っている。 今年度は独自に提案したSHG偏光解析法を様々なヒト組織に適用し、組織体存性を確認した。例えば、ヒトアキレス腱では完全単一軸配向、ヒト象牙質では直交2軸性配向、ヒト距骨では非直交2軸性配向、組織培養用コラーゲン・スポンジではランダム配向が示された。また、ヒト真皮のコラーゲン配向は比較的一軸方向に揃っているが、アキレス腱ほど完全には揃っていなかった。さらに、本手法を2次元イメージング計測に拡張し、ヒト真皮の配向分布測定に応用した。その結果、ヒト真皮の配向状態は測定部位に依存して、その方位及び配向程度が大きく変化した。一般に真皮では、コラーゲン線維が絡み合った状態で存在しているが、これらの結果はこの事実を反映していると考えられる。
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