研究概要 |
藤田保健衛生大学七栗サナトリウムにおいて、脳卒中患者を対象とするFull-time integrated treatment (FIT) programを施行した。FIT programは、週7日訓練、一日中の活動的生活、密なコミュニケーションを軸とする訓練法である。 当院回復期リハビリテーション病棟に2001.4.1から2004.11.30までに入退院し,診断の大分類が脳卒中であった1237名においては、入退院時FIM運動項目が平均47.4点、63.6点であり、平均在院日数70.5日で除したFIM運動項目効率が0.230であった。脳幹病変、両側障害や、再発などによる途中中断・転院を除き、リハを一通り行ったテント上脳卒中636名で集計すると、入退院時FIM運動項目が平均50.6点、69.3点であり、平均在院日数が67.4日、FIM運動項目効率が0.286であった。 FIT programの中での病棟環境の影響を検討するために、廊下を挟んで病室と訓練室が向かい合う病棟でのenriched-FIT program(236名)と主訓練室は病棟外にあるordinary-FIT program(46名)、旧来の週5日訓練(52名、平成12年まで)とを比較した。FIM運動項目合計利得は順に24.2,20.8,20.3であった。平均在院日数は順に74.9日、75.9日、92.2日であった。Enriched-FIT programとordinary-FIT programの差はFIM運動項目合計利得に現れており、これが訓練室と病棟の一体型の環境効果と考えられた。
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