研究課題/領域番号 |
15650140
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白川 太郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (40196613)
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研究分担者 |
定籐 規弘 京都大学, 自然科学研究機構・生理学研究所, 教授 (00273003)
玉置 知子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10172868)
小泉 昭夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (50124574)
玉利 真由美 理化学研究所, 遺伝子多型研究センター, 研究員 (00217184)
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キーワード | ストレス / functional MRI / 内分泌系(コルチゾール) |
研究概要 |
研究目的 ストレス下で適当な実験課題を用いた反応を磁気共鳴装置と生化学的指標を用いることで、人におけるストレス反応と関係のある脳部位を特定できる可能性がある。又、ストレス反応には、遺伝的な個人差があると予測される。そこで、ストレス反応に関連がある遺伝子多型を探索し、多型の違いによる特定課題による脳の活性部位を磁気共鳴装置を用いて検討することが必要と考えられる。 研究結果 被験者1名(25歳女性)に対し、磁気共鳴装置内で、課題+解剖的スキャン+課題を行わせた結果、特に大きな音が出る解剖スキャンの後に唾液中コルチゾールが上昇した。 そこで、音そのものがストレスになるか否かを検討するため、装置に入らない状態で、磁気共鳴装置の解剖スキャンの音をヘッドフォンで10分間成人男女各10名ずつ(平均23.1歳、25.6歳)に聞かせた。ストレス反応は唾液中コルチゾールの測定により検討した。唾液採取は、被験者本人がSalivette(Sartzstedt, Germany)を用いて音呈示10分前、直前、直後、10分後、20分後、30分後に行い、コルチゾール測定は三菱BCLに依頼し、市販のキットを利用したRadioimmunoassay法が使用された。また、Visual analogue scale(VAS)によりストレス程度を測定した。 結果、VASスケールでは、音呈示群では、音呈示後に有意に上昇したが、コントロール群では、その傾向は認められなかった。しかし、唾液中コルチゾール値は、音呈示群、コントロール群共に音呈示後有意に下降し、両群に差は見られなかった。性・年齢を調整した検定も行ったが、その影響は認められなかった。 これより、磁気共鳴装置を使った課題に、音そのものが影響を与えている可能性は低く、今後適当なストレス課題を行った際に、音の影響を考慮せずとも良いと考えられる。
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