研究課題/領域番号 |
15650151
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
芝崎 学 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (00314526)
|
研究分担者 |
磯田 則生 奈良女子大学, 大学院・生活環境学部, 教授 (60016871)
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (90186437)
|
キーワード | 体温調節 / 睡眠 / 快適 / 動静脈吻合 / 皮膚血流 |
研究概要 |
本プロジェクトは、医・工学系ではなく生活科学系から、製品開発の新しいコンセプトの提供とその可能性を示しうるデータの収集を第一の目的とする。 本年度の研究では、入眠に焦点をおき、入眠時の生理学的および物理学的パラメータから、入眠を促進するパラメータを評価し、厳選することに主眼を置いた。入眠前に、手掌や足踵の温度が上昇する。子どもでは顕著であるが、大人も同様に温度上昇することが知られている。この現象をヒントに、どうすれば入眠を促進することができるのか、そこに新しい製品開発コンセプトを見出すことを試みる。昨今見直されてきつつある湯たんぽは、足踵を効果的に暖めるため、これに注目して入眠を促進する製品の開発に役立てることを目的とした。 実際に、適当な湯たんぽの温度および環境温度条件を決定するために、予備実験として昼間に睡眠実験を実施した。本実験では、健康な大学生7名が参加し、パジャマの着衣条件でやや肌寒く感じる環境条件(温度:15℃、湿度60%)で夜間の睡眠実験を行った。脳波、心電図、直腸温、皮膚温(前額、胸部、背部、腹部、上腕部、前腕部、手甲部、手掌部(3点)、大腿部、下腿部、足甲部、足踵部(4点))を測定し、その変化と被験者の申告などから、湯たんぽ、電気アンカ、そしていずれも使用しない、の3条件で検討した。 詳細な検討が必要であるが、湯たんぽを使用しないよりも使用することによって、明らかに入眠が促進され、被験者の申告も効果的であったことを示していた。予備実験で、興味深いことに、異なる湯温条件には被験者のその日の体調が影響するのか、個人差があるのか差はみられなかった。今後、より主観的な評価とも連動して評価する必要が考えられた。
|