研究概要 |
本年度は,数学・理科・情報の教科で共通に使われている科学用語を分析するために必要不可欠な「科学用語データベース」の設計と開発に着手した。具体的な内容は以下のとおりである。 (1)データベース設計 科学用語をデータベース化するために,科学用語の定義,記述の仕方,キーボードからの入力方法,ディスプレイの表示方法,データベースの検索方法等を検討した。基本データは,現在発行されている教科書索引を用いた。 (2)科学用語の収集とデータ入力 科学用語は,理科教育,数学教育,情報教育に関連する教科書から収集した。対象となる教科書は,中学校の数学,理科,家庭と,高等学校の数学,物理,生物,地学,化学,情報,技術で,合計175冊である。基本データの総数は約3万件である。 (3)データのチェックとデータ整理 収集した基本データが,科学用語データであるかどうかをチェックした。次に,一次情報の科学用語データから,検索の効率化,利便化を図るためにデータを再整理し,さらにデータ属性,検索キーワード等を付加して「科学用語データベース」を構築した。 (4)科学用語の基本統計処理 構築した科学用語データベースを用いて,科学用語の構造や特徴を明らかにするために,集計・分類等の基本統計処理を行った。科学用語は,数学分野より理科分野が多いことや,中学校より高等学校の方が多いことなどが明らかになった。さらに詳しい分析は,来年度に実施する予定である。
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