研究概要 |
中学校と高等学校の数学・理科・情報等の教科書に掲載されている索引を基に,科学教育用語データベースを開発した。このデータベースを用いて,数学,理科,情報の各教科の中で共通に使われている科学用語は何か,また,どのような特徴があるかについて調べてみた。この研究で以下のことが明らかになった。 (1)教科別の特徴 科学教育用語は,中学校より高等学校の方が増加する。1学年当たりで比較すると,数学は1.3倍,理科は3.7倍の増加率である。教科別の科学教育用語は,数学が少なく,情報(技術),理科の順に多い。高等学校の理科では,物理と化学が少なく,生物と地学が多い。 (2)異なる科目で共通の科学教育用語 4科目以上で共通に使用されている用語はない。3科目間で使用されている用語は,「電池,弾性,回路,紫外線,位置エネルギー,光合成,単細胞生物,核,光ファイバー,アンモニア,周波数(計11用語)」である。 (3)同一科目の教科書間の科学教育用語分析 対象とした教科書は,高等学校「理科総合A」の教科書全てである。理科総合Aの科学教育用語の異なり数は1189件である。この内,半数以上の680件が1つの教科書だけで使われている科学教育用語である。〔例:BTB溶液,CD-R, CTスキャン,DVD-R, IC(集積回路)〕逆に,すべての教科書で使われている科学教育用語は40件(3%)しかない。〔例:α線,β線,γ線,イオン,イオン結合,陰イオン〕
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