研究概要 |
少年剣士の練習光景を3台のデジタルビデオで撮影した後,人物と竹刀を追跡処理し,身長,両剣士間の距離,剣先の高さと交差距離,竹刀の角度などのデータを取得した.その後,「面打ちにおける剣先位置の良否」を問題として,26種類の少年剣士の構えの画像を剣道教師がみてその良否を評価し,その評価結果と取得済みの数値データを合わせて入力データとし,決定木学習を通して,剣先位置の良否を決定するルールを学習した.最初の学習では26種類すべての画像の良否を正しく判断できなかったが,「攻撃側の剣先延長線と相手の目線からの距離」を新属性として付加した結果,すべての画像の良否を正しく判断できるに改善された. また,サッカーについてはビデオカメラにより撮影された動画像から各選手の動きを抽出し追跡する方法を樹討した.なお,撮影において競技場に備え付けられた大規模なシステムを使うのではなく,汎用のビデオカメラを撮影者が手で持ちながら簡易に撮影された画像を処理するアルゴリズムを検討した. 具体的には以下の方針をとった. 1 移動カメラにより撮影されたグラウンド画像のずれをテンプレートマッチングと射影変換により補正し,位置合わせを行う 2 各選手の初期位置を,動画像の初期フレームから求める.ここでは,2値化とエッジ検出などの画像処理技法を用いる. 3 選手の向きや位置によりサイズを変更できるテンプレートを用い,動画像中で各選手の動きを追跡する. 以上に方針にもとづき,PC上でプログラムを開発した.選手同士の重なりがない場合はほぼ100%に近い結果が出たが,選手同士が交差した場合に,失敗するケースが多かった.今後は,選手同士が交差しても追跡できる手法の検討が課題となる.′
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