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2003 年度 実績報告書

日本近海域のコールドシープにおける微生物群集とプレート活動との相関に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15651008
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

加藤 千明  独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋生態・環境研究部, 研究主幹 (90360750)

研究分担者 能木 裕一  独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物フロンティア研究システム, グループサブリーダー
佐藤 孝子  独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋生態・環境研究部, 研究副主幹 (20371734)
キーワードコールドシープ / 微生物学的多様性 / 日本海 / バクテリアマット / 硫酸還元菌 / イオウ酸化細菌 / 好圧菌 / 地殻活動
研究概要

2001年度に行なわれた、北東日本海潜航調査航海にて得られたバクテリアマットサンプル(後志トラフ、深度約3100m海底より採取された。その後、液体窒素中にて保管)の、微生物学的多様性の解析を行なった。その結果、バクテリアマット中には、ガンマプロテオバクテリアに含まれるイオウ酸化細菌と近縁な微生物が見いだされ、同マットが、こうしたイオウ酸化細菌で構成されていることが示された。また、マット直下のセディメントサンプルからは、デルタプロテオバクテリアに含まれる硫酸還元菌と近縁な微生物の集団が見いだされ、こうした微生物が、バクテリアマットに硫化水素を供給していることを示唆した。これらの結果から、日本海地震多発域から見いだされたバクテリアマットにおける微生物を介したイオウ循環シープモデルを提唱した。本結果は、Marine Biotechnology誌に投稿され、採択された(現在印刷中)。次に、2003年度の日本海調査(YK03-05航海、航海首席、佐藤孝子)に参加し、「しんかい6500」による潜航にてバクテリアマットならびにその周辺の底泥サンプルを採取した。得られたサンプルは、船上にてただちにDNAを抽出し、微生物学的多様性解析を行なった。これまでの結果を見ると、液体窒素保管サンプルと比べ遥かに多様性が広がっていることが示唆され、前回見つけられなかった、新規な微生物コミュニティーを見いだしつつある。また、あわせ同サンプルから、これまで日本海から報告例のない好圧菌の分離を試みた。その結果、2種の好圧菌の分離に成功し、それぞれ太平洋側でよく分離されるShewanella, Moritella近縁種であることが示された。これらの結果は、日本海が決して閉ざされた海ではないことを示唆している。なお、本年度の実施計画に記載した「かいこう」システムによる日本海溝調査は、同システムの流失事故により実施できなかったが、代わりに日本海航海に参加して実り多き成果が上がりつつあることを付記する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shizuka Arakawa, Chiaki Kato, Takako Sato, Yuichi Nogi, et al.: "Microbial Diversity of bacterial Mat Samples at a Depth of 3,100m in the Japan Sea."Marine Biotechnology (Springer-Verlag). 6(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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