研究課題/領域番号 |
15651011
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
福岡 正人 広島大学, 総合科学部, 教授 (70117232)
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研究分担者 |
平山 恭之 広島大学, 総合科学部, 助手 (50263637)
小野寺 真一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50304366)
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キーワード | 山地 / 化学風化 / 炭素固定 / 酸性化 / 無機態炭素 / 有機態炭素 / 鉱物 / 侵食 |
研究概要 |
本研究では、山地流域規模で化学風化速度とその炭素固定機能を定量的に評価し、その酸性化による影響を評価することを目的とし、文献のレビューとともに実験的研究、試験流域研究を行った。その結果、今年度は以下のことが明らかになった。 1.酸性化した森林試験流域における観測研究にもとづき、炭素循環において無機態での炭素固定量を定量化した。また、その固定量は従来どおり雨季に大きい傾向を示すが、流出経路の変化が生じる(滞留時間の変化)ため、単純なモデル計算では求められないことが明らかになった。また、無機態炭素の溶存濃度は、降雨時には大きな変化を示さないが、流量の変化に対しては明瞭に変動することから、降雨の直接流出はなく、地下水の滞留時間に応じてその濃度が決定していることが推定された。すなわち、滞留時間を推定することにより、炭素固定量も算出できる可能性が示唆された。ただし、流量の多い時期(雨季)、酸性化が生じることが確認されているが、同時に有機態として流出している可能性があり、その際の炭素固定量は、溶存有機炭素を定量した上で、評価していく必要がある。 2.個々の鉱物レベルでの化学風化速度は、流域での速度に比べて大きく、それには有機物の影響が関与していることを確認した。さらに、同じpHでも有機酸の方が溶出速度が大きいことが示された。
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