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2003 年度 実績報告書

北日本河川に遡上したサケの死骸が河川および森林域の動植物に与える影響の評価

研究課題

研究課題/領域番号 15651013
研究機関北海道工業大学

研究代表者

岡村 俊邦  北海道工業大学, 工学部, 教授 (50233367)

研究分担者 柳井 清治  北海道工業大学, 工学部, 教授 (20337009)
キーワードサケ / MDN / 物質循環 / 安定同位体 / 河畔林 / 水路実験 / 水生動物 / 自然再生
研究概要

サケの死骸が渓流生態系に及ぼす影響を,北海道東部のサケが遡上河川と隣接した非遡上河川において木本と草本,水生動物等のサンプリングを行い,窒素安定同位体比を測定して遡上効果の検討を行った.サケ遡上河川では樹木菜はδ^<15>Nが-0.3〜3‰,非遡上河川においても-0.5〜2‰の値を示しサイト間での有意な差はなかった.大型草本のタキタブキは,遡上河川では著しく高い値(6‰)が計測され,非遡上河川では3‰と有意な違いが認められた.一方,水生昆虫の中で雑食とされるマダラカゲロウ科の幼虫は,遡上河川で7.6‰,非遡上河川では5‰,また破砕食者であるガガンボ科幼虫も遡上河川で4‰,非遡上河川で1.7‰といずれもサケ遡上河川で高い結果となった.
次に自然河川脇に長さ10mの人工水路を設置し,サケの死骸と水生動物導入による3反復3処理を設定し,6週間にわたって水質,一次生産,落葉分解そして水生動物群集を測定した.3処理の内訳は,1)サケと水生動物を導入,2)水生動物のみを導入,さらに3)サケ・水生動物を全く導入しないのである.この結果NH_4^+と藻類のクロロフィル量は,サケと水生動物導入区1)が,水生動物のみ2),および何も入れない処理3)よりも高かった.水路内に導入したイタヤカエデ葉は,サケ・水生動物導入区1)が他の2処理に比べて有意に減少率が大きかった.またイタヤカエデ葉のC-N比は,サケ・水生動物導入区の他の2処理に比べて低かった.水路内に繁茂した藻類と優占種であるトビケラGoerodes satoiの窒素安定同位体比を測定したところ,サケ・水生動物導入区で他の2処理に比べて約3‰高く,サケ由来の窒素を約20%体内に取り入れていることが判定された.これらの結果から,サケの死骸は水質や一次生産だけでなく,水生昆虫にも間接的に影響している可能性が示された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Seiji Yanai, Kaori Kochi: "Effects of salmon carcass on forest and stream ecosystems in Hokkaido, Japan"Proceeding of International Symposium on clean Environment. 193-198 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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