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2003 年度 実績報告書

DNA損傷の多成分同時測定系開発

研究課題

研究課題/領域番号 15651018
研究機関京都大学

研究代表者

松田 知成  京都大学, 地球環境学堂, 助教授 (50273488)

キーワードDNA損傷 / LC / MS / MS
研究概要

DNA損傷は発癌や老化などで重要な役割を果たしており、その定量的測定は発癌や老化のメカニズムを解明する上で大いに役立つと考えられる。また、DNA損傷は環境汚染を評価するうえで格好のバイオマーカーとなる。なぜならば、DNA損傷性物質(原因物質)と生じるDNA損傷の化学構造には因果関係があり、DNA損傷を定量することによって、どのような化学物質にどのくらい曝露されているのかが容易に推定できると考えられる。また、DNA損傷は発癌や突然変異の前段階であり、これを測定することによって、突然変異や発癌のリスクが推定できるようになるかもしれない。従って、信頼性の高いDNA損傷の分析法を開発することは非常に重要である。
本研究において最新鋭のLC/MS/MSを使うことにより数種類のDNA損傷を高感度に同時定量する系を開発した。このとき使用したDNA量はわずか5μgであったが、10^8塩基あたり数個のDNA損傷が定量できた。これは、^<32>Pポストラベル法に匹敵する感度である。またこの方法は精度、安定性、信頼性、簡便性にすぐれ、さらに、^<32>Pポストラベル法では測定不可能であった低分子のDNA損傷も難なく測定することができた。このことは、はじめて実用的な感度でDNA損傷の機器分析が可能になったことを意味する。これはきわめて重要なブレークスルーであり、DNA損傷の定量的研究は今スタートを切ったといっても過言ではない。本年度測定系を作ったDNA損傷は、N^2-ethyl-dG、N^2-methyl-dG、8-oxo-dG、etheno-dA、5-Cl-dC、8-Cl-dA、8-Cl-dG、N^2-(2,6-Dimethyl-1,3-dioxan-4-yl)-dG、1,N^2-propano-dGなどである。今後さらに分析項目を増やす予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J.Adachi, Y.Mori, S.Matsui, T.Matsuda: "Comparison of Gene Expression Patterns between 2,3,7,8-TCDD and a Natural Arylhydrocarbon Receptor Ligand, Indirubin"Toxicol.Sci.. (In press). (2004)

  • [文献書誌] M.Yasui, T.Matsuda et al.: "Mutagenic events induced by 4-hydroxyequilin in supF shuttle vector plasmid propagated in human cells"Carcinogenesis. 24(5). 911-917 (2003)

  • [文献書誌] 京都大学地球環境学研究会: "地球環境学のすすめ"丸善. 257 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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