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2004 年度 実績報告書

DNA損傷の多成分同時測定系開発

研究課題

研究課題/領域番号 15651018
研究機関京都大学

研究代表者

松田 知成  京都大学, 地球環境学堂, 助教授 (50273488)

キーワードLC / MS / MS / DNA付加体 / DNAアダクトーム解析
研究概要

DNA損傷は発癌や老化に関連しており、その正確で感度のよい定量手法が求められていた。本研究では、高速液体クロマトグラフタンデム質量分析器(LC/MS/MS)を用いて、多数のDNA付加体を同時に定量する手法を開発した。DNA付加体の種類にもよるが、10μgのDNAサンプルから10^8塩基あたり数個の感度で測定が可能であることがわかった。これは^<32>P-ポストラベル法に匹敵する感度であり、LC/MS/MSによるDNA付加体の分析は実用段階に達したといえる。
次に、未知のDNA付加体を網羅的に解析する手法も開発した。DNAを構成するデオキシヌクレオシドは、デオキシリボースに塩基がグリコシド結合している化合物である。LC/MS/MSでデオキシヌクレオシドを分析すると、多くの場合、第一質量分析部で選択した親イオンが、CID部でアルゴンガスと衝突し、グリコシド結合の開裂が起こり、娘イオンとして、塩基部分のイオンが検出される。従って、親イオシと娘イオンのm/zの差をデオキシリボースの質量に対応する116にセットしておけば、感度良く検出できることが多い。この原理を利用して、親イオンと娘イオンのm/zの差を常に116になるように設定し、m/zの値を1刻みで増加させながら、しらみつぶしにDNA付加体を検出するプログラムを組み、分析を行う系を確立した。ヒト臓器のDNAを解析したところ多数の未知のDNA損傷が検出された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] DNA付加体の分析方法-LC/ESI/MS/MSはポストラベルを越えたか?2004

    • 著者名/発表者名
      松田知成
    • 雑誌名

      環境変異原研究 26

      ページ: 199-201

  • [雑誌論文] Translesion Synthesis past 2'-Deoxyxanthosine, a Nitric Oxide-derived DNA Adduct, by Mammalian DNA Polymerases2004

    • 著者名/発表者名
      M.Yasui, N.Suzuki, H.Miller, T.Matsuda, S.Matsui, S.Shibatani
    • 雑誌名

      J.Mol.Biol 344

      ページ: 665-674

  • [図書] 「京大人気講義シリーズ 地球環境学のすすめ」第6章2004

    • 著者名/発表者名
      松田知成(分担執筆)
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      丸善株式

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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