研究概要 |
動物実験として,肝臓を標的として,B6C3F1マウスを用いた肝発癌物質の28日間反復投与実験を行った。投与化合物は,非遺伝子傷害性肝発癌物質として,酵素誘導剤であるphenobarbital(500ppm),ペルオキシゾーム増殖剤であるdi(2-ethylhexyl) phthalate(6000ppm),蛋白質合成阻害剤であるdl-ethionine(2500ppm),肝細胞傷害物質であるthioacetamide(300ppm)の投与群を設定し,各々混餌にて投与した。同様に遺伝子傷害性発癌物質としてdiethylnitrosamine(10ppm飲水),2,4-diaminotoluene(1000ppm混餌),IQ(300ppm混餌)の各投与群を設定し,対照群として,無処置対照の基礎飼料群と,肝毒性物質であるが発癌作用の知られていないacetaminophen(10,000ppm混餌),butylated hydroxytoluene(20,000ppm混餌),2,6-diaminotoluene(1000ppm混餌)の投与群を設定して動物実験を終了した。次いでメチル化DNAプローブの作製のために,投与終了時に屠殺した動物の代表例の肝組織からgenomic DNAを抽出した。CpGアイランド・マイクロアレイの作製とそれを用いた解析に関しては,マウスのCpGアイランド・ライブラリーを購入し,現在約300クローンの単離を終了したが,1000クローンを単離した時点で,それぞれからPCR増幅した各遺伝子断片をGlass Arrayスライドにスポットして小規模マイクロアレイを作製する予定である。
|