研究概要 |
九州大学附属農場に新設された超高温堆肥舎において、好熱細菌を含む既存堆肥に、九大附属農場の乳牛を主体とする糞尿を混合して、発酵させ、好熱細菌製の堆肥を得た。その過程において、通常の堆肥製造過程の温度より極めて高い、約90℃が得られることを検証した。生成された堆肥は水分含有量20%を下回る、砂状の性状を示した。これを用いて、直径約5mmのペレットを、前押出型湿式造粒機(林鉄工所製;既存設備)で作製できた。 次に、この堆肥の有効性を調査するために、化学肥料をコントロールとして、現物堆肥、そのペレットを用いて、ワグネルポットにヒメコウライシバ(Zoysia matrella (L.) Merr.)のソッドを生育させ、それらの反応を調べた。また、ポットから流出する溶液について、NH_4-N, NO_3-N, K^+イオン等について測定を行った。化学成分の測定には、主に、本研究で購入が認められた土壌・作物体総合分析計(SPCA-6210、島津製作所製)を用いた。 地上部の生育は、堆肥区、ペレット区より化学肥料区が優っていたが、地下部の生育は変わらず、緑地用芝地としては、堆肥区・ペレット区の方が望ましい、と考えられた。また、ポットからの肥料養分の漏出は堆肥区・ペレット区-特にペレット区-がかなり少なく、環境保全上優れている、と判断された。
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