研究課題/領域番号 |
15651035
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鈴木 敦巳 熊本大学, 工学部, 教授 (50040390)
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研究分担者 |
林 泰弘 熊本大学, 工学部, 助手 (50274692)
北園 芳人 熊本大学, 工学部, 教授 (40094007)
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キーワード | 富酸素海水透過 / 底質のCOD低下 / 海水のDO低下 / 酸素収支 / バッチ試験 / カラム試験 / 海水透過現地試験 |
研究概要 |
研究対象地として、比較的泥質でCODが高い熊本市の白川左岸側の干潟を選び、富酸素海水の透過による干潟底質の浄化に関する研究を実験的に行なった。まず、対象ヤードの地盤調査によって干潟の堆積状況を調べ、室内試験様として表層30cmまでの底質サンプリングを行なった。次いで、現場実験ヤードで、(1)自然状態、(2)自然状態に最大水頭80cm(根入れ長20cm)の海水透過装置を1基設置、(3)自然状態に最大水頭30cm(根入れ長20cm)の海水透過装置を1基設置、(4)耕耘のあとに最大水頭30cm(根入れ長20cm)の海水透過装置を1基設置、(5)耕耘のみの五つの条件を設定してした。(2)〜(4)の透過装置は内径50cmの透明アクリルパイプを用い、装置内の水位はパイプ側面にスケールを貼り付けて、外から観測出来る様にした。 室内試験としては、バッチ試験とカラム試験を行ない、底質のCOD変化と海水のCOD及びDOの変化を調べ、海水と底質の間での酸素の収支バランスを検討した。その結果、底質のCOD変化は、そのCOD原因物質の海水中の酸素による酸化と原因物質の海水中への溶出からなり、その比はおおよそ1:3であった。しかし、バッチ試験に於いて海水の溶存酸素低減量よりも底質試料の酸化によるCODの低下量の方が多く、収支バランスがとれなかった。その原因はバッチ試験後の濾過時に底質試料のCODが低下したものと考えられる。 現地透過試験では、初期には或程度海水の透過が見られたが、1週間程度で、浸透圧による内部底質の圧密により、透過が極めて悪くなった。そこで2ヶ月後に内部の底質を砂で置き換えて透過を促進すると、その下の底質のCOD低下とORPの上昇が明らかになった。 以上の実験で底質に対する富酸素海水の透過による改善効果が定性的に明らかになったが、室内及び現地ともに改善点が残された。次年度にはこれらの点を改善して寄り定量的な評価を可能にしたい。
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