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2003 年度 実績報告書

マイクロ波加熱による金属ナノ微粒子の創製と粒径制御

研究課題

研究課題/領域番号 15651046
研究機関九州大学

研究代表者

辻 正治  九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (30038608)

研究分担者 辻 剛志  九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (50284568)
キーワードマイクロ波加熱 / ナノ微粒子 / ナノワイヤー / ナノプリズム / ポリオール法
研究概要

近年、金属ナノ粒子を利用したナノデバイスや新規な光学材料の開発などが期待され、その粒径や形状の制御に関する研究が活発に行われている。本研究ではマイクロ波加熱による金属ナノ微粒子の創製と粒径制御を行う計画である。本年度は、マイクロ波加熱法を用いて、エチレングリコールを溶媒・還元剤としたポリオール法による金・銀ナノ粒子の作製を試みた。その結果以下のような顕著な研究成果を得た。
1)金ナノ結晶:マイクロ波照射2分後に60-90nmを一辺とするプリズム状の三角形から六角形までの多角形ナノプレートの合成に成功した。電子線回折の画像解析から、これらのプレートは金単結晶でプレートは電子線の(1,1,1)方向に位置していることがわかった。溶液の紫外・可視吸収スペクトルを測定すると三角プレート結晶による特徴的な新規なプラズモン共鳴バンドを640nm付近に確認することができた。このような多角形ナノプレートは従来のオイルバス加熱では合成できなかった。よって、マイクロ波照射下でのプレート状ナノ結晶の生成の要因には、マイクロ波による電界中での結晶成長や粒子表面の局所加熱などの影響が考えられる。
2)銀ナノワイヤー:照射1分後の反応溶液のTEM観察では、ほぼ球形の銀ナノ粒子が生成しており、さらに照射を続けた3分後にはロッド状の銀粒子が生成し始め、照射5分後には直径約40nm、長さを500nm以上とする銀ナノワイヤーが多く観察された。また、保護材であるPVPの添加量を減少させた系では、より長い銀ナノワイヤーが生成することがわかった。
以上のようにマイクロ波加熱ポリオール法を用いて金についてはプリズム状多角形ナノ結晶、一方銀についてはナノワイヤーを比較的均一でかつ短時間で作製することに世界に先駆けて成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Tsuji: "Preparation of gold nanoplates by a microwave-polyol method"Chemistry Letters. 32・12. 2003 (2003)

  • [文献書誌] 辻 正治: "マイクロ波照射下での金属ナノ材料の合成"放射線化学. 77号(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] M.Tsuji: "Syntheses of Silver Nanofilms, Nanorods, and Nanowires by a Microwave-Polyol Method in the Presence of Pt Seeds and Polyvinylpyrrolidone"Chemistry Letters. 33・4(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] M.Tsuji: "Synthesis of Gold Nanorods and Nanowires by a Microwave-Polyol Methods"Materials Letters. (印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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