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2004 年度 実績報告書

タンパク質の細胞内導入を目的とする細菌毒素を改造したナノマシンの分子設計

研究課題

研究課題/領域番号 15651059
研究機関高知工科大学

研究代表者

榎本 恵一  高知工科大学, 工学部, 教授 (20128127)

研究分担者 佐塚 正樹  常盤短期大学, 生活科学科, 講師 (60305852)
キーワードタンパク質 / 細胞内導入 / 細菌毒素 / ナノマシン / 分子設計
研究概要

コレラ毒素、大腸菌易熱性毒素、ベロ毒素等の細菌毒素は、毒素活性を持つAサブユニットと、細胞表面の毒素受容体(糖脂質であるガングリオシド)に結合する役割を持つBサブユニットの2種のタンパク質から構成されている。細胞表面のカベオラと言う凹部のガングリオシドに結合した毒素は、エンドサイトーシスによって細胞内へと取り込まれてゆく。このBサブユニットと毒素受容体との特異的相互作用を利用し、Aサブユニットの代わりに目的のタンパク質をBサブユニットに会合させ、Bサブユニットともに細胞内へ導入するためのタンパク質分子を設計する。
コレラ毒素Bサブユニットの調製及び解析を次の通り行った。Bサブユニット遺伝子を発現プラスミドpET28に組み込んだ。次にこのプラスミドで大腸菌を形質転換し、大腸菌培養液に誘導物質であるIPTGを添加することにより、Bサブユニット遺伝子の発現を促した。発現されたBサブユニットはそのN末端にプラスミド由来のHis x 6配列と余分のアミノ酸配列を持つため、天然のBサブユニットよりやや大きい14kDaのタンパク質として得られた。このHis x 6配列がアフィニティカラムへ特異的に結合する性質を利用して組換えBサブユニットを精製した。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動による解析で、精製組換えBサブユニットはモノマー以外に5量体までの会合体として存在することが明らかになった。同時にガングリオシドへの結合をELISA法で測定したところ、天然のBサブユニットに比べて弱い結合性を示した。これはN末端に付加されたアミノ酸配列がガングリオシドとの相互作用を阻害しているためと考えられる。現在、His x 6のみをN末端またはC末端に持つBサブユニット、さらにHis x 6を持たず天然のBサブユニットと同一の組換えサブユニットを調製中である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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