研究概要 |
平成15年度は主に,コンピュータウィルスの自律的撃退モデルの解析,大規模マルコフモデルの解析,インターネットトラヒックの計測を行った.まず,コンピュータウィルスの自律的撃退モデルとしてウィルスへの感染が発見されると関連する経路に警告を発するキルシグナルモデルを連続時間マルコフ連鎖によって記述し,ウィルス感染と自律的撃退の時間的挙動をモデル化した.次に,大規模マルコフモデルの解析では,ソフトウェアの予防保全(若化)を実施するためのセミマルコフモデルを解析するための数値解析を行い,アルゴリズムの比較を行った.最後に,インターネットトラヒックの計測では,広島大学に設置している研究室内LANのトラヒックを計測し,キルシグナルモデルにおける時間遅れ(シグナル配信時間)をパラメータとして獲得することに成功した. ソフトウェア若化スケジュールを決定するためのセミマルコフモデルの解析結果は,電子情報通信学会論文誌(A)ならびにIEICE Transactions (A),(B),(D)において発表された.また,コンピュータウィルスの自律的撃退モデルの解析結果の一部は情報処理学会論文誌において公表予定である.実際のインターネットアクセスデータを計測し,不正アクセスの統計的検知を行った研究成果は,2004年度に開催予定の国際会議において発表する予定である.ここでは,送受信したパケット数やバイト数の相関を考慮し,不正アクセス確率の定量的評価を行った.
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