研究概要 |
現地野外調査: 十勝沿岸〜根室の太平洋沿岸の海食崖において,津波堆積物の確認・記載を行った. 河川沿いの河岸壁,泥炭地の明渠壁,海食崖を利用して津波堆積物,火山灰を観察した. 露出が得られない泥炭地においては,ピット掘削調査,花粉分析用コアサンプラーを用いたボーリング調査およびジオスライサーによる調査を行った. 緩傾斜で泥炭に埋積されている条件のよい谷では,津波砂層の変化過程を追跡するとともに,海岸からの縦断測量を実施した. これらの結果に基づいて古津波の規模(波高,遡上範囲,時期,再来間隔)について検討した 室内実験,分析: 火山灰の鉱物組成ならびに火山ガラスの屈折率測定を行い,火山灰の同定を行った. 津波堆積物の粒度分析を行い,各津波ごとの特徴を把握し,比較検討を行った. ハザードマップ作成: 従来の知見に加えて,本年度の調査結果(津波波高,津波浸水域(津波堆積物分布域),津波堆積物の厚さと粒度などを考慮したハザードマップの作成を開始した.
|