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2003 年度 実績報告書

非天然型DNA2重らせんの創成

研究課題

研究課題/領域番号 15651091
研究機関東京工業大学

研究代表者

関根 光雄  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (40111679)

キーワードN-アシル型DNA / 非W-C型DNA2重らせん / シランジイル型のスペーサー / DNAプローブ / 遺伝診断 / 塩基対 / mRNA検出法 / 固相担体
研究概要

本研究は、天然のDNA鎖に対してハイブリダイゼーションすることによって非W-C型DNA2重らせんを構築できる人工DNAを設計・合成し、新しい遺伝子診断やDNAプローブ等に活用することを目的とした基礎研究である。この新型DNA2重らせんをとることのできる人工DNAは、核酸塩基のアミノ基にアシル型の置換基を導入することによって、これまでにあり得なかった塩基対を形成させることのできるように工夫されたものである。この研究を可能にしたのは、これまで、塩基部位のアミノ基にアシル基を導入させたDNAが極めて合成が困難であったが、最近我々はこのようなN-アシル型DNAを積極的に合成する基礎研究を展開し、初めて実現することに成功した。今回、この予備的研究成果は、次世代の遺伝子診断法あるいはmRNA検出法などの新しい強力なツールにもなり得るものと予想されることから、このようなN-アシル型人工DNAの合成とそのDNA診断技術への展開を図った。まず、本年度はN-アシル化されたDNAの合成法の確立を第一の目標として研究を進めた。N-アシル化されたDNAは塩基性条件で不安定で、アシル基が脱離してしまうため、中性条件で合成できる合成法を検討した。中性条件で除去できるスペーサーとしてこれまで我々のグループが予備的に開発してきたシランジイル型のスペーサーをN-アシル化されたDNAの3'末端のデオキシヌクレオシドの3'末端水酸基に導入することを検討した。その結果この導入反応は従来60%程度の効率であったが、これを定量的なレベルまで向上させることに成功した。さらに、スペーサーが導入された3'-末端デオキシヌクレオシドと固相担体を連結する反応の効率も向上させることに成功した。これらの研究成果を今後化学量論的N-アシルDNAの合成の応用を検討している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Mitsuo Sekine: "A "Proton-Block" Strategy in the Phosphoramidite Approach : A New N-Unprotected Method for the Synthesis of Oligodeoxynucleotides Based on the Principle of Simple Acid-Base Reactions."J.Org.Chem.. 68. 5478-5492 (2003)

  • [文献書誌] Mitsuo Sekine: "Synthesis of TMG-capped RNA-DNA chimeric oligonucleotides"Tetrahedron Letters. 44. 1703-1707 (2003)

  • [文献書誌] Tomohisa Moriguchi: "Synthesis and Properties of Oligodeoxynucleotides Having an N-Phosphoryl Group."Eur.J.Org.Chem.. 2260-2267 (2003)

  • [文献書誌] Itaru Okamoto: "A New Route to 2'-O-Alkyl-2-thiouridine Derivatives via 4-O-Protection of the Uracil Base and Hybridization Properties of Oligonucleotides Incorporating These Modified Nucleoside Derivatives"J.Org.Chem.. 68. 9971-9982 (2003)

  • [文献書誌] 関根光雄: "ゲノムケミストリー"講談社サイエンティフィック. 240 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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