研究概要 |
「モジュール化」の概念について文献レビューを行った。経済系のものでは、「モジュール化とは、単なる分業ではない。全体として統一的に機能する包括的デザイン・ルールのもとで、より小さなサブシステムに作業を分業化・カプセル化・専門化することによって、複雑な製品や業務プロセスの構築を可能にする組織方法である。(モジュール化-新しい産業アーキテクチャの本質」青木昌彦,安藤晴彦(東洋経済新報社)2002)」などを代表に、最近の産業アーキテクチャの変化の方向をモジュール化と結びつけて推奨する例が多かった。コンピュータ系については「perlモジュール」「モジュール設計」などの言葉がすでに当たり前のように使われており、「モジュール」そのものの概念を深く掘り下げようという文献は少なかった。そこで、本研究課題である都市計画分野への応用を考えた場合、とくに「まちづくり」計画とモジュール化の可能性という点に着目することにした。まず、まちづくりシミュレーションゲームとしての「シムシティ」を念頭において、このゲームを現実の街にあてはめた場合の基本単位が何になるか整理することにした。今のところ、500m角、250m角、あるいは小学校区、中学校区などの単位が候補である。実際に多摩ニュータウンの住区計画においては、1中学校、2公園程度がひとつの単位とされている。しかしながら30年たった今では、それぞれの住区グ「モジュール」としての意味を失い、地区商店街などの崩壊をみている。次年度はそのあたりを検証したい。 研究旅費については、今年度は海外視察をやめ、北陸の北陸先端大学と金沢の都市計画をみることにした。海外旅費については、あらためて次年度以降で計画したい。
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