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2003 年度 実績報告書

聖遺物信仰の成立と信仰圏の形成過程に関する日欧比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 15652005
研究機関高知女子大学

研究代表者

青木 淳  高知女子大学, 文化学部, 助教授 (00305806)

キーワード聖遺物 / 巡礼教会 / 遺骨信仰 / カタコンベ / 勧進 / 祖師崇拝 / アドリア海 / 遺物伝承
研究概要

本年度は主に中世イタリアにおける宗教改革とそれに関係する宗教的な遺物、ならびにその製作者たちと宗教者の関係に付いての調査と研究を行なった。なかでもトリエステ・ラベンナ・ボローニャなどアドリア海沿岸の小都市に残る巡礼教会伝来の聖遺物の調査を行った。
トリエステは東方教会 ボローニャの聖ステファノ教会群、聖ペトロニオ聖堂のカタコンベと聖遺物室など、5世紀から16世紀にかけて成立した教会とその歴代の司教、外護者による遺物収集とその実態を調査した。特にパドヴァのサン・アントニオ大聖堂(Basilica del Santo)の聖アントニオ関連の巡礼教会で、その聖遺物祭壇は、聖具室とともに主祭壇の背後に別置された巨大なものである。これは聖アントニオの本人の聖遺物箱とともに、彼に所縁の人々の遺物を合わせて祭祀しているもので、中世以降、聖アントニオをめぐる信仰がいかに貴賎の別なく広まり、そして教団の阻止の一人として信仰を集め、いかにそのネットワークを広めたかという本研究のテーマを考える上で重要な資料となった。さらにアドヴァンス期間における巡礼教会の儀式、伝承、聖遺物の展観、カタコンベの祭祀を中心に、フランス国境地域の巡礼教会の調査などを行った。文献による思想史を背景とした教団史ではなく、聖遺物に対する人々の民衆信仰史から見た中世教団史を再構築するきっかけとなったと思う。
国内における聖遺物に関する調査研究としては、快慶作岡山・東寿院阿弥陀如来立像の像内納入品資料を『日本彫刻史基礎資料集成 鎌倉時代II』(中央公論美術出版)として公刊したほか、青木淳「仏師快慶と天台関係の造像活動」(『日本宗教文化研究』7-2)を発表した

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 青木 淳: "仏師快慶と天台関係の造像活動"日本宗教文化史研究. 7-2. 33-54 (2003)

  • [文献書誌] 青木 淳: "仏師快慶と慈円"宗教研究. 77-4. 102-104 (2004)

  • [文献書誌] 青木 淳, 山田奨治: "仏像の数量分析の試み-快慶による如来形像の流れ-"人文科学とコンピュータ. 2003年号. 18-24 (2003)

  • [文献書誌] 水野敬三郎監修, 青木 淳ほか: "日本彫刻史基礎資料集成 鎌倉時代II(二冊組)"中央公論美術出版. 380 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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