3年間にわたる研究の第2年目にあたる本年度は、海外所在作例の調査、前年度に行った調査結果の整理、幸若舞「八島」をめぐる考察のまとめなど、以下のとおり行った。 1海外所在作例の調査 9月にシカゴ美術館所蔵の「大織冠図屏風」6曲1双の調査を行った。 そのほか調査予定であったロンドンのアシュモリアン美術館所蔵「大織冠図屏風」についての情報を収集し、その結果、現在、同美術館から出て所在不明であるという事実を確認した。 2前年度に国内および海外で調査した作例のスライド資料を一括してデジタル化した。 3幸若舞「八島」を主題とする新出の狩野派の冊子絵(個人蔵)および、高松市歴史博物館、サントリー美術館などの展覧会にて実見した関連作例、さらに、龍門文庫所蔵の絵入りの版本の調査(いずれも前年度中に実行した)をとおして得られた知見を、論文「幸若舞曲『八島』とその絵画」にまとめ、学術雑誌に投稿した(掲載号未定)。
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