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2005 年度 実績報告書

俄芝居の身体技法に関する演劇論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15652013
研究機関学習院大学

研究代表者

兵藤 裕己  学習院大学, 文学部, 教授 (90173202)

キーワード演劇 / 芝居 / にわか / 新派 / 歌舞伎 / 念仏狂言 / 身体技法
研究概要

1,俄芝居の伝承は継承者不足のため、今日急速に失われつつあり、その実地調査と、映像・録音資料の作成と保存は、緊急を要する課題である。今年度は研究期間の最終年度であり、前々年度、前年度にひきつづき、高知県室戸市佐喜浜八幡宮の「佐喜浜にわか」、大阪府南河内郡建水分神社の「だんじりにわか」、岐阜県美濃市八幡神社の「流しにわか」などを中心に、俄芝居の現行伝承の映像資料を作成し、俄芝居の身体技法(発声法をふくむ)について考察した。
2,私が所蔵する俄芝居をはじめとする民間芸能のビデオ資料をデジタル化し、半永久的な記録媒体と思われるDVDに保存した。また、俄芝居の映像・録音資料を翻字して文字資料化するとともに、俄芝居の演者が使用する台本のコピーを可能なかぎり入手することに努めた。台本と、それが実際に上演されるときの違いを比較検討することで、俄芝居の演劇的な技法の特徴を明らかにすることに努めた。
3,俄芝居と比較検討する対象として、歌舞伎、および近代の新派劇、大衆演劇などの身体技法(発声法をふくむ)について考察した。とくに新派劇については、過去の名優といわれた人たちのレコード録音のダヴィング資料を収集した。
4,以上の基礎的な調査をもとに、俄芝居が、近代日本の演劇史において極めて大きな役割を果たしたこと、すなわち、明治20年代に形成され、30年代に確立する新派劇において、俄芝居の技法が新演劇成立の核となりえたこと、俄芝居の声と身体が、在来の演劇伝統(歌舞伎)とは異質な、演劇上の近代を実現したことを考察した。その考察の一部は、拙著『演じられた近代』(岩波書店、2005年2月)に執筆するとともに、いくつかでの学会で口頭発表を行った(シンポジウム「ナンバの奥行き」日本大学芸術学部、平成17年12月26日)(シンポジウム「江戸の声」東京大学駒場キャンパス、平成18年4月23日)他。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 近代の声、平家物語の声2005

    • 著者名/発表者名
      兵藤裕己
    • 雑誌名

      図書(岩波書店) 673号

      ページ: 5

  • [雑誌論文] 身体文化の近代性2005

    • 著者名/発表者名
      兵藤裕己
    • 雑誌名

      大航海(新書館) 55号

      ページ: 4

  • [雑誌論文] <大衆>の身体性、社会的アイデンティティ2005

    • 著者名/発表者名
      兵藤裕己
    • 雑誌名

      日本文学(日本文学協会) 54巻11号

      ページ: 2

  • [図書] 演じられた近代-<国民>の身体とパフォーマンス-2005

    • 著者名/発表者名
      兵藤裕己
    • 総ページ数
      325
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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