山梨大学工学部小方孝助教授のおこなっているコンピュータによる物語生成プログラムの開発に参与しつつ、認知科学および人工知能研究と文学研究とを連接させたかたちでの<物語>の特性研究を試みた。今年は、ストーリー生成プログラムへの語りの「視点」導入の示唆、ハイパーコミック生成プログラムにおける多層的な語りの技法の導入の精緻化に関する提言をおこなった。文学領域では、物語に特徴的な重層的な話法(一般の言語活動にはみられない多重的な主体を浮かび上がらせる話法)について綿密な検討をおこなった。また、バイオテクノロジー分野、情報科学分野と連携したかたちで、言語・文学系分野の北アフリカ研究を始動させる試みに着手した。 認知科学・人工知能研究・精神医学・マーケティング論を<物語」的コミュニケーション>という観点から総合的に論じる論集の編集を企画・遂行中である(2004年内に出版予定)。 関連して、以下の口頭発表をおこなった。1)「日本=チュニジア人文社会科学シンポジウム」(チュニジアの首都チュニスで開催)、4月29日、2)日本認知科学会第20回大会、ワークショップ「文学理論と認知科学--拡張文学理論をめぐって」、電気通信大学、2003年6月6日、3)日本フランス語学会シンポジウム「語りのストラテジー」、獨協大学、2003年5月31日(招待発表)
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