研究概要 |
1.民話モティーフ・データベースの拡充と分析支援システムの開発 現在構築中の民話モティーフ・データベースに新たにアラブ民話のデータを追加登録すると共に,今まで入力したモティーフの一部を処理して地域データと結合させ,モティーフを構成する主辞及び述辞のAND検索から当該モティーフがどの地域に存在するかを表示させる「民話モティーフ分布表示システム」を開発した。また,モティーフの各辞項を意味属性に分節した別種のデータベースを試験的に構築し,複数の意味レベルにおける意味属性間の結合傾向からモティーフを比較する手法,さらに民話テキストを,意味属性情報を保持したモティーフ連鎖形式で表し,モティーフのみならずテキスト単位で比較するための分析手法の双方について検討を行った。 2.国際シンポジウムへの投稿 2004年5月25日からパリにおいてフランス国立東洋言語文化研究所(INALCO)の主催(後援はコレージュ・ドゥ・フランス,フランス国立図書館,ユネスコ,パリ市等)で開催される国際シンポジウム"Mille et une nuits en partage"に本研究の民話分析モデル及び構築中のデータベースに関する論文を投稿し,受理された。 3.モティーフ索引付き民話集の刊行 民話研究分野における未開拓地域の民話に本研究の分析モデルを適用するためのデータ作成の一環として,シベリア北部のチュクチ語による未公開民話を対象に,当該地域の民話を収集している東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の呉人徳司助教授と共同で民話及びそれらのモティーフ索引を刊行した。
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