研究概要 |
『方言文法全国地図』(GAJ)『日本言語地図』(LAJ)を地理情報システム(Geographical Information System = GIS)に組み込むことを目的とする。このことにより,方言分布の分析の客観性を高めるとともに,諸種地理情報の統合を目指す。 国立国語研究所の編集するGAJ・LAJは,日本で唯一無二の全国データを扱う方言地図である。質の高いデータとして評価は定まっており,これら地図集のデータを利用して多くの言語研究がなされている。しかし,そのほとんどは,研究者の主観を基に進められてきた。一方,地理情報を扱う他分野では分布情報を客観的かつ多角的に扱うGISによる分析手法が浸透しつつある。GAJ・LAJの方言地理情報をGISで分析する方法を開発することにより,方言研究の科学的性質を向上させることもねらいとする。 平成15年度は,(1)GIS導入の基盤整備と展望を立て,(2)GAJ・LAJのデータをGISに移行させるための基礎手順として地点番号の経度緯度化プログラムを開発し,(3)数値地図に代表される基本的な言語外情報の獲得と導入を実施した。なお,成果の一部はwebサイトでも公開し(http://www2.kokken.go.jp/~takoni/GISME/GISME.htm),基本的なデータをダウンロードして利用できるようにした。
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