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2003 年度 実績報告書

古イチョウのDNA分析からみた中世の日本国内及び東アジアの交流について

研究課題

研究課題/領域番号 15652039
研究機関徳島大学

研究代表者

佐藤 征弥  徳島大学, 総合科学部, 助教授 (00274192)

研究分担者 堀 輝三  銀杏化学研究舎, 主任研究員 (90057563)
キーワードイチョウ / Ginkgo biloba / DNA / ミトコンドリアDNA / 伝来 / 巨樹
研究概要

イチョウは文化的,宗教的,民俗的な側面から日本人の生活風土に深く入り込んでいる。しかし,イチョウがいつ頃どのようにして日本に伝わったのか,そしてどのようにして日本各地に広がっていったのかは不明である。現在知り得る限り,日本における最も古い「銀杏」に関する遺物資料は,韓国の新安海底引き揚げ船(1323年に中国の安寧から博多に向う途中に沈没した貿易船)から発見されたギンナンであり,文書記録では,南北朝期から室町期に成立したものが最古の史料である。本研究は,樹齢数百年のイチョウ巨樹を試料としてDNA解析により,伝来・伝播の道筋を浮かび上がらせることを試みている。これまでに全国に約500本存在する幹周囲6 m以上の巨樹のうち約350本から葉を試料として採取し,そのうち119本についてミトコンドリアDNAのnad2遺伝子のイントロンの配列を調べた。その結果,13種類のDNAタイプが発見され,それぞれ特徴的な地理的分布を示した(東日本に偏って分布している東日本タイプ1と西日本に偏って分布している西日本タイプ1が数的に多く,他に東日本タイプ2,西日本タイプ2,九州タイプ等がある)。これは,イチョウの伝来が歴史上1回の出来事ではなく,複数のルートで別々の場所に独立して伝来したことを示している。
また韓国と中国についても実地調査を行ない,様々な点から日本のイチョウとの比較を行い,次のような点を明らかにした。(1)韓国の巨樹の性比は雌に大きく偏っている。(2)韓国の樹のDNAは日本の「西日本タイプ1」と呼んでいるタイプが圧倒的に多い。(3)中国の樹のDNAは,日本と同じタイプも見つかったが,日本にはないタイプも存在した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 堀 輝三: "日本の巨木イチョウ"内田老鶴圃. 308 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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