本研究の目的は、大型絵図の大容量デジタル画像データを、1)高速ブラウジングソフトを用いて情報提供(館内閲覧)するとともに、2)高速ネットを活用してデータをWeb配信(公開)することで、絵図研究の促進をはかることである(平成15年度実施・報告済み)。さらに、3)絵図画像データを各種の画像解析ソフトやGIS(地理情報システム)ソフトを援用して、新たな絵図解析方法を確立することも目的としている。 平成16年度は、前年度に作成した1813年作成の実測分間村絵図3点の高精細(大容量)デジタル画像をERDAS Imagineで幾何補正し、GISソフト(ArcGIS8.3)上で航空写真のオルソ画像データ(1976・2000年)と重ね合わせ、視覚的に変遷が判別しやすい景観変遷3D画像データを作成した。これらの成果を以下の学会において報告するとともに、その成果の一部を学術雑誌『地図』41-4(2004年)や『国絵図の世界』(柏書房、2005年刊行予定)に発表した。また、こうした成果が着目されて、招待講演も行った。 <学会報告> 平井松午・豊田哲也・田中耕市「GISを用いた実測分間絵図の分析-阿波国を例に-」第47回歴史地理学会大会、2004年7月3日、島根県民会館 平井松午「絵図の高精細画像データとGIS分析-徳島大学の試み-」、兵庫地理学協会特別例会、2004年12月11日、流通科学大学 <招待講演> 平井松午「伊能図のデジタル化と絵図のGIS分析-徳島大学の試み-」日本国際地図学会第38回地方大会(松山)、2004年8月24日、愛媛大学総合情報メディアセンター 平井松午「徳島大学所蔵の伊能図と阿波の実測分間絵図」、日本大学主催「伊能図の世界あるくはかるつくる-伊能忠敬の日本図展-」講演会、2004年12月19日、日本大学文理学部
|