研究分担者 |
藤原 丈史 青山学院大学, 経済学部, 助手 (60348456)
荒木 万寿夫 青山学院大学, 経済学部, 助教授 (20303050)
成田 淳司 青山学院大学, 経済学部, 教授 (00133695)
宇南山 卓 京都大学, 経済研究所, 講師 (20348840)
西郷 浩 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (00205626)
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研究概要 |
官庁統計におけるミクロデータの利用可能性が広がってきている中で,今後の広範な研究利用を実現するためには,いくつかの現実的な問題が解決されなければならない.特に,研究上の多様な要望に対応しやすい一次統計データベースの構造を検討すること,さらにミクロデータを提供するためのデータ処理に関わる作業をできるだけ効率的に設計することが必要である. 今年度の研究においては,世帯のミクロ統計データに対象を絞って,研究基盤を整備する効果的な条件を検討した.そのために家計調査および家計消費状況調査を中心として標本設計に関する詳細な情報を収集し,調査の特性を明らかにする作業を実施した.特に家計消費状況調査に関しては統計法上の目的外利用の手続きによって,ミクロデータを利用した分析を計画しており,今年度中に許可が下りる見込みである. 関連して,研究者の視点から要求される問題として,ミクロデータを分析する場合に必要な「観測値に関する信頼性」に関する情報の整備方法についても,部分的な検討を開始した.具体的な例としては,個票における欠測値ないし外れ値の発生などの不完全性と,それに対処するための補完ないし外部情報の利用に関する情報がある.そのような内容に関しては,2003年度の統計関連学会連合大会においても「官庁統計の理論と実際」というチュートリアルセッションを企画し,研究者からの要望事項の整理にあたっている. 現在は,これらの理論的な展開と,わが国の家計を中心とする統計への適用可能性および問題点に関する検討を続けている段階である.
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