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2004 年度 実績報告書

日本におけるベンチャー企業の新規上場前後の会計行動に関する理論的・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15653027
研究機関京都大学

研究代表者

徳賀 芳弘  京都大学, 経済学研究科, 教授 (70163970)

キーワード事業創成 / IPO / ベンチャー企業 / 研究開発型ベンチャー / ベンチャー・キャピタル / 企業買収 / 研究開発効率 / 新規株式公開
研究概要

IPOを多く手がけている、ベンチャー・キャピタル(証券系、銀行系、生損保系)及びIPOのアドバイス・サービスを行っている監査法人で聞き取り調査をした。聞き取りの主要な点は、(1)何に基づいて投資の是非や投資金額の決定を行っているか、(2)主幹事証券会社や監査法人と利害を異にしているのはどのような点か、であった。日本のベンチャー・キャピタルにおいては投資対象についての明確な評価手法が開発されているとは言えず、「目利き・セレンディピティ」システムとでもいうべき、経験に基づいた判断が最も重視されていることが分かった。また、ベンチャー企業を取り巻く、3つの専門家(ベンチャー・キャピタルと主幹事証券会社と監査法人)の利害は必ずしも一致しておらず、何らかの理論モデルを用いた分析が必要となることが明らかとなった。
また、社会人大学院の大学院生でIPOコンサルティング企業の代表者がおり、IPOの具体的局面における問題を詳細に議論することができた。また、社会人大学院生達と研究会を持ち、IPOのメリット(資金調達の容易さ、創業者利得の獲得、知名度の上昇、優秀な人材の獲得等)とデメリット(コンプライアンスの重要度が高まる、コーポレート・'ガバナンスに関する配慮の必要、企業買収・経営権喪失の虞、インサイダー取引規制に対する配慮の必要等)に関する具体的な考察、及び複数のIPO成功ケースを材料として、IPO成功以後の当該会社の状況を分析し、その成否の原因を分析した。
また、「研究開発型ベンチャー企業」においては、研究開発の成功がIPOへの鍵となる。そこで、平成16年度においては、研究開発投資効率の問題にも取り組んだ。財務データの入手可能性における制約から日本の電機機器産業の財務データを用いて、研究開発ストックの価値を測定し(その前提として、アーモン・ラグ検定により、研究開発投資の発現までのタイムラグと効果存続の期間を推定した)、累積研究開発投資額で除して研究開発投資効率を算定した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 会計基準の理論的統合2005

    • 著者名/発表者名
      徳賀芳弘
    • 雑誌名

      會計 第167号第1号

      ページ: 1-13

  • [雑誌論文] 技術等の価値評価-将来キャッシュ・フローの予測に基づいて-2004

    • 著者名/発表者名
      徳賀芳弘
    • 雑誌名

      日置弘一郎, 川北眞史編著『日本型MOT-技術者教育からビジネスモデルへ-』

      ページ: 185-191, 201-210

  • [雑誌論文] 会計基準の国際的統合と日本の対応戦略2004

    • 著者名/発表者名
      徳賀芳弘
    • 雑誌名

      会計プログレス 第5号

      ページ: 37-48

  • [図書] 会計基準の国際的統一2005

    • 著者名/発表者名
      徳賀芳弘, 平松一夫 編著
    • 総ページ数
      281
    • 出版者
      中央経済社
  • [図書] 年金会計とストック・オプション2004

    • 著者名/発表者名
      徳賀芳弘, 伊藤邦雄, 中野誠
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      中央経済社

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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