研究概要 |
本研究の目的は、おたく文化系コンベンションの、文化社会学的立場およびカルチュラル・スタディーズ的立場からの分析である。本年度は、わが国最大級で、最も歴史のある「コミックマーケット66」の一番参加者を対象に質問紙調査を実施した。調査票は、イベント主催者の協力を得て、コミックマーケットの会場/プログラム案内書である『コミックマーケットカタログ』の1ページに印刷し、また、回収もイベント主催者の協力を得て、会場各所に配置したアンケート回収箱によって行った。参加者数は主催者発表で、8月13日(金)16万人、14日(土)17万人、15日(日)18万人で、調査票回収数は、1,482票であった。なお、主催者の話によると、コミックマーケットカタログの販売部数は、参加者数とほぼ同数ということなので、質問表はほぼ全員に配付されたと見なすことができる。得られたサンプルの男女構成比は女性56.9%、男性42.9%となった。この数値は過去の調査結果(社会的通年とは異なり、同人誌即売会への参加者は女性の方が多い)から見て妥当なものと考えられる。本年はこの調査票について第一次分析を行った。 いくつかの調査結果を記しておく。 ・同人誌頒布物購入額は、「30,000〜49,999円」というカテゴリーを回答した者が最も多く、23.6% ・一般参加者でもサークル参加した経験を持つものは多く、女性で3分の1(33.0%)、男性で4分の1(24.4%)に上る ・コミックマーケットの魅力に関する質問では、「コミケでしか入手できない同人誌・CD・DVD・グッズがあること」を回答した者が最も多く29.6%、次いで「お祭りのような雰囲気があること」を回答した者が26.3%、以下、「日本最大の即売会であること」17.6%、「多種多様な表現が許容されていること」15.7%、など
|