研究課題/領域番号 |
15653051
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大野 博之 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (00037037)
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研究分担者 |
遠矢 浩一 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (50242467)
針塚 進 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (50113973)
大神 英裕 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (20020141)
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キーワード | 発達障害児 / 自己制御機能 / 動作法 / 主動型リラクゼーション / SART / 認知 / 情動 / 行動 |
研究概要 |
発達上の困難を示す障害児の自己制御機能を把握し、具体的な発達援助に繋がる評価システムを動作法の理論に沿って2年間で開発することを本研究の目的とする。本年は最初の年に当たるので、成瀬(1985)が開発した座位や膝立ち、立位などの各尺度を点検するための資料を収集するとともに、新しい視点からの検討も試みた。成瀬は自体操作の主体活動に着目し、重力に対応して自分の身体をタテ(垂直)に位置づけることを最も重視し、そのための心理援助手続きとして「正しく力を入れる」あるいは「適切に動かす」ことを中心課題として動作法の技法を展開してきた。この場合、不当な緊張を有する発達障害児にそうした援助を効果的に行うためには、高度の技術が必要であり、広く一般化するには限界も見られた。そこで、主動型リラクゼーション(Self Active Relaxation Therapy)という概念を導入し、彼らの自己制御機能を改善するための効果的方法の開発に取り組み、その成果を日本リハビリテイション学会(2003)で発表して好評を得た。さらに日本特殊教育学会(2004)やノルウェイで開催される国際リハビリテイション学会(2004)、イランで開催されるアジア心理療法学会(2004)などで研究発表やワークショップを行い、より洗練した心理援助の技法として確立する予定である。この方法は、障害児本人が安心して動かせる課題から入り、援助者が彼らができないところを援助するというスタンスを取るので、無理のない形で機能が発達し、認知や情動面、行動面によい影響が出ると推察される。これらのことは今後の課題としたい。
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