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2003 年度 実績報告書

身体の体験様式を変えることを目標とした顎関節症治療法の開発と検討

研究課題

研究課題/領域番号 15653052
研究機関鹿児島大学

研究代表者

梶原 和美  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40243860)

研究分担者 伊藤 学而  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60005064)
永田 順子  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50264429)
キーワード顎関節症 / カウンセリング療法 / 臨床動作法 / ストレスマネジメント / 身体 / 体験様式
研究概要

1.鹿児島大学病院矯正科で実施している顎関節症患者に対するカウンセリング療法の治療機序をストレスセネジメントの観点から検討した。その結果,
a)顎関節症の症状には「問題の意味がわかりにくい」「今後の展開が不確実」「問題が長期にわたって持続する」という特徴があり,患者は「心理的・社会的機能障害に注意を集中してしまう」「症状に対するコントロール感をもちにくい」状態に置かれており,これらがストレスの評価に影響を与え,ストレスをさらに強めている可能性があると考えられた。
b)初診時のカウンセリング療法で治療者が予後の見通しを説明し,患者を勇気づけることで不確実性に起因する不安,症状に対する脅威が大きく低減していた。
c)自分の病態や発症の要因が明確化され,ストレスが自律神経失調状態を引き起こしていることがわかりやすく説明されることによって,患者は問題焦点型のコーピングが有効に活用できるようになっていた。
d)コーピングによって症状の変化を実感し,それを治療者が承認・支持することで自己効力感が向上し,治療に対する動機づけが高まり,ストレスをコントロールしていこうという意欲が活性化されていた。
e)カウンセリングの中で患部の安静,口腔習癖の除去,正しい姿勢,顎運動のリハビリテーションの指導を受ける中で,患者の多くが身体に対するつきあい方を変えていくことが示された。
2.臨床動作法を実施した患者の体験の逐語記録を検討した。その結果,
f)ストレスのとらえ方は,治療の進展とともに変化していくことが示された。すなわち治療初期では患者をとりまく現実的・外的な問題が強調され,ストレスと症状との関係づけは曖昧,希薄であったが,次第に状況の中で反応する自己の身体に注意が向けられるようになっていた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 伊藤学而: "カウンセリングで治す顎関節症"医歯薬出版株式会社, 東京(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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