平成16年度は、(1)主に養護学校教員を対象としたアンケート調査、(2)平成17年度に予定している「諸外国との比較検討」についての準備調査を行った。 (1)の調査内容は、養護学校教員の特性について、障害のある児童生徒に対する指導において心がけていること・信条について、障害児教育の専門性について、特別支援教育について、今後学びたい領域・分野についてなど、14項目から構成されている。養護学校教員に対する調査の中で、特に障害のある児童生徒に対する指導において最も大切としている信条について、「人間性」「受容」「共感的理解」などのキーワードを挙げ、「障害のあるなしに関係なく、一人の人間として関わること」を挙げている回答が多くみられた。 また、今後学びたい領域や分野については、「身体に関する医学的知識、運動生理学、障害のある子どもの指導論、手話、言語指導、特別支援教育について」などを挙げる回答が多く見られた。 (2)の準備調査については、北欧における福祉教育の現状について現地(デンマーク)にて、幼稚園・義務教育学校(小・中学校)、福祉施設、病院、養成大学等を視察し情報収集を行った。また、教育関係者、福祉関係者、障害者協会代表者などを訪問し、平成17年度予定の聞き取り調査に関する情報収集を行った。 平成17年度は、デンマークのバンク・ミケルセンが提唱した「ノーマリゼーション」の考え方をたどることによって、ノーマリゼーションに基づく我が国の教育のあり方を考察していく計画である。
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