平成17年度は、(1)主に、小学校、中学校等に勤務する管理職(校長、教頭)を対象としたアンケート調査、(2)日本の健康・福祉教育について諸外国との比較検討するためにデンマークにおける教員への聞き取り調査を行った。 (1)調査内容は、対象教員の特性について、勤務学校の状況、障害のある児童生徒に対する指導において心がけていること・信条について、障害児教育の専門性について、特別支援教育について、管理職の立場から体育・健康・福祉の人材育成における重要課題についてなど、11項目から構成されてい。管理職に対する調査の中で、特に、体育・健康・福祉の人材育成において「教員の人間性の育成、心のケア、心の教育」が重要課題であると挙げている回答が多く見られ、前年度に調査した養護学校教員の障害のある児童生徒への指導における信条との共通項が明らかとなった。 (2)デンマークにおける教員調査では、日本の教員に行ったアンケート調査(郵送法)と同様の質問を直接面接(聞き取り)の方法で行った。デンマークの多くの教員は、多様なバックグランドを有しており、教員になる前に福祉施設の生活指導員や非民主主義への教育支援活動(NGO)スタッフなどの経験をしている教員が多く見られた。これらの教員の障害のある児童生徒に対する教育における信条については、「深く生徒と関り能力を引き出すこと」「人間の個人的成長」「愛情」が多く挙げられた。今年度は最終年度であり、3年間の研究成果報告を18年度に提出予定である。
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